浦和学院の三刀流・吉田匠、大谷ばり「1番・投手」で先発3回零封&適時打 本職遊撃手も投打で躍動

[ 2021年7月17日 05:30 ]

全国高校野球選手権埼玉大会3回戦   浦和学院11-1越谷南 ( 2021年7月16日    大宮公園 )

浦和学院の「三刀流」吉田匠
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 浦和学院の背番6、吉田匠吾(3年)が、エンゼルス・大谷ばりの「1番・投手」で輝いた。公式戦初先発ながら3回1安打無失点に抑えて6三振を奪うと、一挙10点を奪った2回には右翼線へ2点二塁打。4回からは二塁に回って投打で11―1の5回コールドに貢献し「初先発は緊張したけど、準備はしてましたから」と話した。

 本職は遊撃手ながら最速142キロの球威を買われ、投手を兼任。聖望学園と戦った11日の初戦は二塁と遊撃を守り、8回は抑えとして1回を無失点に抑える三刀流で奮闘した。「自分の役割は投手なら打たせて取り、味方の攻撃にリズムを与えること。打者なら相手に高圧的な印象を与える1番バッター。本塁打より出塁を意識します」。メジャーで本塁打王争いを繰り広げる大谷とは右投げ左打ちも共通項だが、チャンスメークに徹する。

 福島県いわき市小名浜出身。11年3月の東日本大震災時は実家が停電し、断水も経験した。幸い家族は無事だったものの、小名浜西小1年だった当時は「野球はもう、できないかと不安だった」と覚悟した。それが周囲の支えもあり、小6時には「楽天ジュニア」に選出されるまでに成長。「今、野球ができるなんて奇跡かもしれない」と感慨深げに話した。投げて打って躍動し、野球ができる喜びを表現する。

 18年夏以来の甲子園を目指す浦和学院。激戦区・埼玉を制するには、吉田匠の「三刀流」の切れ味は欠かせない。(伊藤 幸男)

 ◇吉田 匠吾(よしだ・しょうご)2003年(平15)10月19日生まれ、福島県いわき市小名浜生まれの17歳。小名浜西小6年時には「楽天ジュニア」の主将としてNPB12球団ジュニアトーナメントに出場。小名浜一中在籍時は「いわきボーイズ」に所属。遠投102メートル。1メートル73、75キロ。右投げ左打ち。

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