広島・菊池涼 7度目の球宴で初本塁打&初MVP「無観客ではなく、みなさんの前で野球をやることが大切」

[ 2021年7月17日 05:30 ]

マイナビオールスターゲーム2021第1戦   全セ5-4全パ ( 2021年7月16日    メットライフD )

<全パ・全セ(1)> 6回2死二塁、左越え2点本塁打を放ち、ハイタッチをする菊池涼(右) (撮影・平嶋 理子)                    
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 東京五輪前の祭典で、侍のリーダー役が「初尽くし」の大暴れで堂々と主役を張った。広島・菊池涼が本塁打を含む4安打で7度目出場で初のMVPを受賞。「一回も賞を獲ったことがないので、ちょっと申し訳ないというか、まさかというか。思い出深い場所でMVPが獲れたことがうれしい」。メットライフドームのある埼玉県所沢市は、出身地の東京都東大和市の隣町。実家から自転車で何度も通った球場だけに、思いも特別だった。

 3回先頭で今井の直球を左前打。5回先頭では上沢から右前打し梅野の適時三塁打で反撃のホームを踏んだ。最大の見せ場は2―3の6回2死一塁。初球に岡本和が二盗に成功した直後の上沢の直球を捉えた打球は高く舞い上がり左翼席で弾んだ。逆転2ランは球宴12試合26打席目で初本塁打。同点の9回無死一塁では益田から広島選手初の1試合4安打となる右前打で好機拡大し決勝点を呼んだ。

 「(岡本)和真が走ってくれて、やってやるぞというよりも球宴なんだな…と我に返ることができた。子供の頃に来ていた球場で打てた。格別です」

 9歳だった99年、西武ドーム(当時)での球宴を現地で観戦。新人の上原、松坂の投げ合いは覚えていないが、二岡が観客席に投げたボールを父親が捕球したことは鮮明に覚えているという。その球は、今も大切に実家に飾られている。

 「ファンの方に背中を押してもらえた。無観客ではなく、みなさんの前で野球をやることが大切なんだと思った」。五輪は無観客ながら、今回は野球観戦を楽しみにしていたファンを笑顔にさせた。(河合 洋介)

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