市西宮、無念の逆転負け 涙の背番号「1」と「11」

[ 2021年7月17日 16:08 ]

第103回全国高校野球選手権大会 兵庫大会 3回戦   市西宮5―10関西学院 ( 2021年7月17日    尼崎・ベイコム野球場 )

敗戦後、ベンチ前に整列する市西宮の選手たち
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 市西宮の背番号「1」大山晴大(3年)と「11」小林浩貴(3年)は敗戦後、ともに「みんなに申し訳ない」と涙をこぼした。ともに5失点。あわせて10点を失った。

 先発した右腕・大山は完封勝利を飾った初戦(11日・高砂南戦)とは違い、不調を感じていた。

 「状態はよくなかったが何とか粘ろうと思って投げていた」

 試合は5回まで11安打を放ち、常に先手を取っていた。

 だが、5―3と2点リードで迎えた5回裏、無死一塁で「最も警戒していた打者」という関学の3番・天野一稀(3年)に初球、「変化球が高めに浮いてしまった」と痛打を浴びた。中堅への同点2ランだった。

 さらに2死後、連打を浴びてマウンドを左腕・小林に譲った。

 「ブルペンから大山が打たれながらも懸命に粘って投げている姿を見ていた。今度は自分ががんばる番だと思った」

 このピンチは二飛でしのいだ。

 だが5―5同点の6回裏に悲運が待っていた。先頭の遊撃前小飛球が内野安打。四球、送りバントの1死二、三塁で迎えた強打者・天野を打ち取ったはずの遊ゴロが内野安打となり、悪送球もあって2点を失った。

 8回裏にはまたも天野に2点三塁打を浴びた。

 小林は自分を責めた。「何とか抑えなくては……と力んでしまった……。大山とはキャッチボールもコンビでずっと一緒に練習をしてきた。自分のせいで……申し訳なく思います」

 しかし、チームメートは分かっているはずだ。春季大会は大量20失点した投手陣が原点から出直し、懸命に練習を積んできた姿を見ている。

 吉田俊介監督(36)は「春から夏にかけてよく成長してくれた。それは彼ら一人一人の努力です」とたたえた。

 県内屈指の進学校として知られる。大山は志望校を神戸大と言い、「大学でも野球を続けたい」と夢を描く。吉田監督は「がんばってきたことは必ず次のステージでも役に立つ」とエールを送った。 (内田 雅也)

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