早実・清宮福太郎 前日ノーゲームから打ち直しマルチ「初日のつもりで」2安打2打点

[ 2021年7月15日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権西東京大会2回戦   早実9―2大成 ( 2021年7月14日    ネッツ多摩昭島 )

<大成・早実>4回1死三塁から中前適時打を放つ清宮(撮影・川島 毅洋)
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 第103回全国高校野球選手権(8月9日から17日間、甲子園)の地方大会は14日、34大会で計204試合が行われた。西東京大会では早実が大成に7回コールド勝ちで3回戦進出。日本ハム・清宮幸太郎内野手(22)の弟・福太郎主将(3年)が2安打2打点を挙げた。千葉大会は中央学院が佐倉南・四街道北の連合チームに5回コールド勝ち。細谷怜央投手(3年)が代打本塁打を放った。15日は33大会で計190試合が行われる。

 失敗した。次はどうアプローチしよう…。清宮にとって3度目の夏。経験により引き出しは増えた。緊張感が漂うチーム初戦でも主将の頭は冷静だった。

 初回の第1打席は力ない投飛。高めのボール球に手を出し「3番がそういう姿を見せるのは良くない。次から目線を下げ、選んでいこう」と反省した。第2打席で四球を選ぶと、4回1死三塁では中前適時打、5回1死一、三塁では左前適時打。いずれも反省を生かしたコンパクトなスイングで2安打2打点を記録しチームを7回コールド勝利に導いた。

 前日は初回に左翼線に適時二塁打を放つなど4点を先制も雨天でノーゲームに。仕切り直しの一戦を前にチームの雰囲気が少し緩んでいるのが気になった。主将としてナインに掛けた言葉は「今日が初日のつもりでやることが大事」。自身も「打ち直し」のタイムリーを放つなど背中でもナインを引っ張った。

 偉大なOBである王貞治氏(現ソフトバンク球団会長)と同じ一本足打法。左足を高々と上げる理由を「始動を早めるため」と明かす。この日も余裕を持って相手の投球を呼び込み広角に打ち分けた。同じくOBで高校通算最多とされる111本塁打を放った兄は日本ハムでプレーする幸太郎。「(雰囲気が似ていると)多少は言われます」とはにかむ。

 チームはコロナ禍で思うような練習ができず、練習試合は6月に入ってから。実戦不足で迎えた初戦で打線は11安打9得点を挙げた。和泉実監督は「(清宮は)1打席目は力んでいたが、すぐに修正した。緊張感がある中で自分を維持することが大事」と評価した。

 清宮は「一戦一戦、集中し、その先に甲子園がある」と力を込める。兄が1年だった15年を最後にチームは夏の甲子園から遠ざかっている。2年ぶりに開けた聖地への道。ノーシードから駆け上がる。(川島 毅洋)

 ▽清宮福太郎の夏の成績 1年夏は都小平西との3回戦で「6番・左翼」で先発出場し4回に決勝打となる先制の右前2点打を放つなど2安打デビュー。4、5回戦も先発出場したが無安打でチームは準々決勝で国学院久我山にサヨナラ負け。コロナ禍で独自大会となった2年夏は全5試合で4番に座り、1回戦の八王子学園八王子戦で公式戦1号となる左翼場外への120メートル弾。準々決勝で国士舘に1―4で敗れた。

 ◇清宮 福太郎(きよみや・ふくたろう)2003年(平15)7月3日生まれ、東京都出身の18歳。早実初等部1年時に野球を始め、5年から東京北砂リトルでプレーし、15年世界選手権優勝。早実中等部時代は調布シニアに所属。早実では1年夏からベンチ入り。1メートル82、96キロ。右投げ右打ち。

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