球宴V腕の大谷、23年“凱旋試合”浮上 エンゼルスが日本で開幕戦開催検討、LA紙が報じる

[ 2021年7月15日 02:30 ]

オールスター戦   ア・リーグ5―2ナ・リーグ ( 2021年7月13日    デンバー )

オールスター戦に先発、初回を3者凡退に抑え笑顔の大谷(撮影・沢田 明徳)
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 進化を続ける二刀流のプレーを、再び日本で――。ロサンゼルスの地元紙「オレンジカウンティー・レジスター」は13日(日本時間14日)、エンゼルスが23年に日本での開幕戦開催を検討していると報じた。エ軍の大谷翔平投手(27)は同日、オールスター戦で「1番・DH兼先発投手」として史上初の投打同時出場。歴史を刻んだ日に、さらに日本のファンの胸を躍らせるプランが浮上した。

 本塁打競争の翌日、「リアル二刀流」の先発投手として登場。大谷のために用意されたような、2日間の夢舞台だった。笑みを絶やさず、デンバーのファンも笑顔にさせた主役は「(米での球宴は)初めての経験なのでまた来られるように。そう思わせてくれるような素晴らしい経験でした。凄くいい雰囲気だった」と振り返った。

 その裏で、今度は日本のファンのために新たな舞台が用意されようとしている。エンゼルスとしては初となる、日本開幕戦だ。

 この日、オレンジカウンティー・レジスター紙のエ軍担当記者であるジェフ・フレッチャー氏が「大リーグ機構(MLB)が新たな日本開催のプランを練っている。それはエンゼルスだ」と伝えた。ロブ・マンフレッド・コミッショナーが同紙の取材に、早ければ23年に日本で開幕戦を実施する検討を進めていると明かしたという。

 日本球界からメジャーに移籍し、日本開幕戦で凱旋したケースは少なくない。04年の松井秀喜(ヤンキース)、08年の松坂大輔(レッドソックス、現西武)、12、19年のイチロー(マリナーズ)もそうだった。

 かねてMLBは「野球の国際化」をテーマに掲げている。前日に本塁打競争を中継したスポーツ専門局ESPNは、平均712万6000人が視聴したと発表した。大谷の1回戦の再延長が行われた時間帯が868万5000人で最多。視聴者数は前回の19年より13%、18年より19%増えたという。日米で絶大な人気を誇る大谷が日本でプレーすることで、日本のファンに対戦相手、さらにメジャー全体へと興味や関心を広げることが狙いだ。

 同紙によれば、エ軍は19年の開幕戦に関しても候補に挙がっていたという。当時は実現しなかったが、大谷の存在が全米で認められた今、交渉はスムーズに進む可能性が高い。

 大谷は今季から総額850万ドル(約9億3500万円)の2年契約を結んでいるが、保有権自体は23年までエ軍にある。実現すれば、大谷が日本で真剣勝負の舞台に立つのは日本ハムでの17年10月9日の楽天戦での打者出場、投手としては同4日のオリックス戦以来となる。再び日本でプレーする際、球宴同様に二刀流となるのか。期待は膨らむ一方だ。

 【日本開幕シリーズでの日本選手凱旋】

 ☆04年松井秀喜(ヤンキース) デビルレイズ(現レイズ)と2連戦。いずれも「2番・左翼」で出場した。2戦目に1号2ランを含む2安打3打点と活躍し、12―1の大勝に貢献。同年31本塁打への景気づけとなった。

 ☆08年松坂大輔、岡島秀樹(レッドソックス) 松坂はアスレチックス2連戦の初戦に先発し5回を2安打2失点、6奪三振。5番手で1イニングを無失点の岡島が白星を手にした。

 ☆12、19年イチロー(マリナーズ) いずれも相手はアスレチックスで、12年の初戦は「3番・右翼」で先発出場して4安打の大暴れ。19年は2戦とも「9番・右翼」で先発出場し、計5打数で無安打。2戦目の終了後に記者会見を開いて現役引退を表明した。

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