阪神 矢野監督に続投要請へ 藤原オーナーも「満足」の13年ぶり首位ターン 長期政権の可能性も

[ 2021年7月15日 05:00 ]

セ・リーグ   阪神3-4DeNA ( 2021年7月14日    甲子園 )

<神・D>DeNAに連敗となり、スタンドのファンに帽子を取ってあいさつする矢野監督(撮影・椎名 航)
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 阪神は矢野燿大監督(52)に対し、来季続投を要請する方針を固めていることが14日、分かった。3年契約の最終年となる今季は、13年ぶりとなる前半戦首位ターン。甲子園で前半戦最終戦を観戦した藤原崇起オーナー兼球団社長(69)はその手腕を高く評価した。試合は終盤の反撃も及ばず、3―4で惜敗。2位・巨人も敗れたため、2ゲーム差のまま前半戦を終えた。

 勝利で締めくくることはできなかった。前半戦最終戦。終盤の追い上げは届かなかったが、矢野監督が掲げる「諦めない姿勢」は最後まで体現した。イズムを貫き、13年ぶり首位ターンを決めた手腕を、球団は高く評価。熱戦を見届けた藤原オーナーも、及第点を与えた。

 「監督の思いが浸透してきてという中で1位でターンするというところでは、本当に矢野さんに頑張っていただいているというふうに思っています。私自身は満足しています」

 3年契約の最終年を迎えた今季は見事な開幕ダッシュに成功した。注目ルーキーの佐藤輝と中野を積極起用。8人態勢を敷いた外国人選手も巧みに駆使した。世代交代を実行して、貯金を量産。2位・巨人に2ゲーム差を付け、五輪ブレークに突入する。

 19年の就任以降、着実にステップアップしてきた。同年は6連勝締めで3位に滑り込み、クライマックスシリーズに進出。昨年は1つ順位を上げ、2位でシーズンを終えた。成績に加えて、球団はマネジメント能力も評価。すでに球団内では来季続投を要請する方針を固めている。

 「そういう日が来れば、そうさせていただきたいなということになると思います」

 現時点で、球団トップも続投に前向きな姿勢を示している。8月13日からは勝負の後半戦がスタート。ペナントレースを優先させるため、正式な続投要請はシーズン終了を待つが、実現すれば長期政権となる可能性もある。その上で球団トップが厳命したのは、巨人戦の勝ち越し。前半戦は7勝8敗で終え、セ・リーグ内では唯一負け越している。

 「やっぱり巨人を打ち負かしてというのをね。後半戦でぜひとも勝率をひっくり返す。対巨人戦、勝ち越しをすると。こういう意気込みで頑張ってほしいと思います。それが優勝に結び付いているのかなというふうなデータもありますしね」

 直近で優勝した85、03、05年はいずれも宿敵に勝ち越した。この山を越えなければ、16年ぶりの悲願は見えてこない。「みんなの期待に俺は応えたい」。矢野監督も思いは同じ。目の前の一戦一戦に全力を注ぎ、大きな花を咲かせる。(山本 浩之)

 《在任4年以上は過去5人》阪神監督の在任期間4年以上は過去5人。最長は中村勝広監督の6年(90~95年)、次いで5年が松木謙治郎監督(50~54年)と岡田彰布監督(04~08年)、4年が藤本定義監督(62~65年)と和田豊監督(12~15年)。

 ▽過去2年の矢野阪神
 ★19年 2軍監督から就任。失策数でリーグ最多の102と経験不足を露呈するも終盤、負ければCS進出が消滅する9月21日からの6試合を全勝。最終戦で3位に滑り込んだ。投手陣は西と青柳を軸にリーグトップの防御率3・46。打撃陣はルーキーの近本が36盗塁でタイトルと、セ新人記録更新の159安打。
 ★20年 コロナ禍で6月19日の開幕。序盤の6月を2勝8敗で最下位ながら、9月1日には2位浮上。独走する巨人に追いすがったが、9月25日に選手4人の新型コロナ陽性が判明。勢いをそがれたチームは中日との2位争いを制するのがやっとだった。ソフトバンクから移籍のスアレスが25セーブでタイトル。近本は31盗塁で赤星以来の新人から2年連続盗塁王。

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