巨人 力負け…攻撃陣ワーストだらけ 原監督「私も含め大きくならないと」

[ 2020年11月26日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2020第4戦   巨人 1―4ソフトバンク ( 2020年11月25日    ペイペイD )

<ソ・巨>6回無死、岡本は内野ゴロに倒れ、肩を落としてベンチに戻る。右から原監督、元木ヘッド (撮影・森沢裕)
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 力負けを示す屈辱の数字が並んだ。打倒・ソフトバンクを掲げてきたが、プロ野球史上初となる2年連続シリーズ4連敗。巨人・原監督の頭には4試合の得点が刻まれていた。

 「1点、2点、0点、1点か。攻撃型のチームという中で攻撃がなかなか機能しなかった」

 昨年は4試合でこれまでの日本シリーズ出場チームで最低の打率・176だったが、今年は通算121打数16安打の打率・132でまさかの更新。計16安打、21塁打も同最低だった。「4試合」に限れば昨年シリーズ最多だった計35三振も41三振と更新した。セ・リーグで披露してきた爆発力を最後まで発揮できず「私も含めコーチ、選手は一回りも二回りも大きくならないといけない。具体的にまだ整理はついていない」と声を絞り出した。

 3連敗で迎えた正念場で手は打った。若林、田中俊、岸田、増田大と4人を今シリーズ初めて先発起用。3~5番も組み替え、2~4番に坂本、丸、岡本を並べた。初回に「いい形で1番、2番といったけど」と振り返った通り若林、坂本の1、2番の連続安打で先制。今シリーズ初めてリードしたが、直後に先発の畠が柳田に2ランを浴び、流れをかっさらわれた。

 球団史上初めて3度目の監督に就任してリーグ制覇を果たした昨季。4連敗でのシリーズ敗退後に相手を「高い壁」と表現した。今年1月の12球団監督会議ではセ・リーグ監督陣に異例の「打倒パ・リーグ」を呼びかけるなど、闘志を燃やしてきたが、迎えた頂上決戦で大惨敗。9番の甲斐までがフルスイングしてくる相手打線に襲われ、投手陣は4試合で計7本塁打を浴びた。

 13年からは8年越しで同シリーズ9連敗。原監督は「まだまだ我々は必要としているものがある。一人一人がね」と先を見据える。ぶっちぎりで優勝したセ王者に、野球観が変わるほどの課題が直面した。(神田 佑)

 ≪8年連続日本一なし≫巨人のシリーズ0勝敗退は57年対西鉄(1分け)、59年対南海、90年対西武、昨年の対ソフトバンクに続き2年連続5度目。シリーズは13年の対楽天第7戦から9連敗となり、58、59、61年の巨人が記録したシリーズ最多連敗記録に並んだ。また原監督個人も9連敗となり、巨人では58、59年の水原監督の8連敗を上回り球団ワースト。なお、水原監督は巨人で8連敗後、62年に東映でも第1戦から2連敗し、監督個人最多となる10連敗を記録している。

 巨人の最後の日本一は12年。不出場も含め8年連続で日本一を逃したのは74~80年、81~88年の7年連続を上回る球団ワースト記録。

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