ソフトB 史上初2年連続4連勝V!工藤監督“神様超え”16度目日本一

[ 2020年11月26日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2020第4戦   ソフトバンク4―1巨人 ( 2020年11月25日    ペイペイD )

日本一を決め喜ぶソフトバンクナイン(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンクは25日、巨人に快勝して昨年に続き日本シリーズ4連勝。ポストシーズン16連勝、同シリーズ12連勝と圧倒的な強さで新型コロナウイルスの影響を受けた特別なシーズンを締めた。タレント軍団をまとめ上げ、圧倒的な強さでセ・リーグ王者を撃破した工藤公康監督(57)は選手、監督合わせて通算16度目となる日本一を達成した。

 胴上げはなかった。特別な一年の、特別な締めくくりだった。ナイン、スタッフ、そして球場に詰めかけたファンとともに、万歳、万歳、万歳。工藤監督はマスクを外し、お立ち台に上がった。

 「正直、ホッとしています。同時に、うれしくて、うれしくて。福岡で日本一になれて最高です。ファンのみなさまと喜びを味わうことができて幸せ」

昨年からポストシーズン16連勝を飾り、選手時代と合わせて16度目の日本一。「神様」と称された川上哲治元監督を超えた。今年はコロナ禍での特別な一年。無意識に「川上式」を取り入れていた。

 V9時代の巨人を率いた川上監督は「上のものは選手のコンディションを確実に知っている」「監督が投手を決めるのは必ずトレーナーやコーチの意見を聞いてからにする」という信念の下、勝ち続けた。工藤監督は、川上監督との共通点について、こう言った。「川上さんと比べるなんて、おこがましい。ただ、今年に関しては例年とは違うと思って臨んだ」。就任以来、選手のコンディションには目を光らせてきたが、例年以上に周囲の意見に耳を傾け、選手との対話を欠かさなかった。

 日本シリーズ第1戦ではCSで無安打だった栗原を5番で起用し、菅野撃ちの先制弾を呼んだ。第3戦では7回まで無安打投球だったムーアを代え、モイネロ、森の必勝リレーで王手をかけた。最後は全員野球で締めた。勝つための最善策。悔いの残らない一手。一つのプレーで流れが変わる、短期決戦の怖さを知っているからこその采配だった。

 「1年を考えてどう戦うかを意識した」と長丁場を見据えて指揮を執った。コロナ禍で開幕が延期となる中、6月19日の開幕戦から、この日まで160日間で126試合を戦い抜いた。「こんなに素晴らしい戦いをしてくれた選手たちに感謝です」。パ・リーグ初の4年連続日本一。伝説のV9以来の偉業を成し遂げた。 (川島 毅洋)

 ○…工藤監督は5度目の日本一。シリーズで5度のVは川上哲治監督の11度を筆頭に水原茂監督に並ぶ3位タイ。就任6年目で5度のシリーズ制覇は森祇晶監督に並ぶ最多回数だ。また、選手時代も含めると16度目の日本一。川上監督の15度を抜き、森監督の17度に次ぐ単独2位に浮上した。なお、この日の勝利で工藤監督はシリーズ通算20勝目(4敗1分け)。シリーズ20勝以上の監督は
 監督 <勝>分<敗>20勝到達
川上哲治44―18 30試合
森 祇晶29<1>20 30試合
水原 茂25<3>26 38試合
鶴岡一人21<1>31 49試合
工藤公康20<1>4 25試合
 と5人目。25戦で20勝は川上、森両監督の30試合を抜く最速になった。

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