木内幸男氏の元に弔問客ら訪れる…枕元には03年夏制覇のウイニングボール

[ 2020年11月26日 05:30 ]

木内幸男さん
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 肺がんのため24日に死去した元常総学院監督の木内幸男氏(享年89)の茨城県取手市内の自宅には一夜明けた25日、同市の藤井信吾市長(60)をはじめ関係者らが弔問に訪れた。取手二、常総学院の監督として春夏通算3度の甲子園優勝を果たした名将で取手市の名誉市民になっており、弔問客らはおなじみの「茨城弁」で誰からも愛された故人をしのんだ。

 木内氏の遺体は前夜遅くに取手市内の病院から自宅に戻った。穏やかな表情で枕元には03年夏の甲子園決勝でダルビッシュ(現カブス)を擁する東北を破って優勝した時のウイニングボールが置かれた。この年限りでの退任が決まっていて「最後に1個くらいもらっとくか」と言って受け取った記念球だ。木内氏の長女・岡田京子さん(66)は「最期は少しずつ息が小さくなり、本当に静かに逝きました」と最期の瞬間の様子を明かした。

 今年9月に肺がんが見つかって以降、抗がん剤治療を断って最期を迎えた。10月に入ると声を出すのも難しくなったが、入院前日に自宅を訪れた教え子の仁志敏久氏(DeNA2軍監督)、島田直也氏(常総学院監督)には絞り出すように言葉を掛けていたという。京子さんは「教え子たちの将来のことをいつも心配していました」と述懐し「“もう、やり残したとはないから治療は受けなくていい”と。本当に満足して天国に旅立ったと思います」と続けた。

 通夜は12月2日、葬儀・告別式は同3日正午から、いずれも茨城県取手市市之代310、やすらぎ苑=(電)0297(78)2133=で。喪主は娘婿の岡田誠(おかだ・まこと)氏。

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2020年11月26日のニュース