【ソフトB・森 独占手記】今季は70点 来季は“サファテ超え”を

[ 2020年11月26日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2020第4戦   ソフトバンク4―1巨人 ( 2020年11月25日    ペイペイD )

最後の打者を打ち取り甲斐と抱き合って喜ぶ森(撮影・中村 達也)
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 ソフトバンクの森唯斗投手(28)が9回を無失点で締め、4年連続日本一に大きく貢献した。特別なシーズンで7年連続50試合以上登板を果たし、100セーブ&100ホールドも達成した守護神右腕が、本紙に独占手記を寄せた。

 絶対に日本一になるという思いでやってきて、最後のマウンドにも立って4連勝で終われた。そこは凄く良かった。でも最後の最後まで、ちょっとふがいない投球が続いた。まずはゆっくり休んで、また来年に向けてやっていきたい。

 今季の投球は70点。30点足りない理由は、もっと抑えられた部分があると思うから。打たれる部分が多かった。反省しているし、来年は取り返す。70点が取れたのはリーグ優勝と日本一ができたこと。そして僕自身で言えば7年連続でシーズン50試合、投げられたこと。ここはこだわってきたし良かった。

 追い付かれなければいいと思って9回のマウンドに行く。3人で終わりたい、打たれないようにと思うより、チームが勝てばいいと思っている。24日の日本シリーズ第3戦。相手が無安打のまま、出番が来た。こんな経験は初めてだった。でも気持ちは変わらず落ち着いていた。2死まで行ったけど、2ボールだったんで取りにいった球を(丸に中前打された)…。打たれたくなかったし、悔しかった。

 ただ、心の準備、メリハリは今季はできていたと思う。オン、オフの切り替えはサファテに習った。今はそんなに連絡は取っていないが(日本一を)報告したい。彼をずっと見てきた。キャッチボール1球、手を抜かない。勉強になった。今も彼にプレゼントされた腕時計をつけている。いつかサファテのように、“森がいれば大丈夫”と思われるような守護神になりたい。

 前(8回)を投げるモイネロの存在も大きい。打てる球ではない。僕にはあの落差のある変化球は投げられないけど、大事にしているコントロールは勝っている。そこは、負けないようにしている。

 コロナ禍で日本シリーズと都市対抗野球本戦の日程が同時期だった。在籍していた三菱自動車倉敷オーシャンズが初戦を勝ったこともうれしかった。時間があれば都市対抗は見ている。改めて感じた。もっともっと自分もやらないと、と。

 やっぱり今年は特別なシーズン。まず奥さんに“ありがとう”と言いたい。自主練習期間中、家にいて感じた。改めて助かっている、と。日々、子供の世話をし、僕は野球に集中できた。おかげで10月11日に100セーブを達成できた。本当に感謝している。

 地元の徳島の父親からもよく連絡がある。今は沖に出るマグロ漁ではなく、素潜り漁中心にやっているが、いつも、いいことは言わない。悪いことしか言わない。“ダメだね”とか言われるんで、まあ見てろ、しっかり抑えてやろう、と思う。

 来季も目標は50試合登板。そこは必ず達成したい。そしてまたリーグ優勝と日本一になりたい。1年間の応援、本当に感謝しています。(福岡ソフトバンクホークス投手) 

 ◆森 唯斗(もり・ゆいと)1992年(平4)1月8日生まれ、徳島県出身の28歳。海部から三菱自動車倉敷オーシャンズを経て、13年ドラフト2位でソフトバンク入団。1年目から中継ぎで58試合に登板し、18年に最多セーブ。今季は通算100ホールド、100セーブを達成。入団から7年連続50試合登板を果たした。1メートル76、94キロ。右投げ右打ち。父・勝美さんは漁師で、3トン漁船「唯斗丸」を所有。

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