DC熱狂 ウィザーズ惜敗もナショナルズ初優勝 “奇跡のコラボ”で町は騒然

[ 2019年10月31日 15:33 ]

ワシントンDCで歓声をあげるナショナルズのファン(AP)
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 ワシントンDCで30日に行われたNBAのホーム開幕戦は地元のウィザーズと、テキサス州ヒューストンを本拠にしているロケッツとの間で行われたが。この日はそのヒューストンでワシントンDCを本拠にしているナショナルズが地元のアストロズをワールドシリーズ最終戦で下して初優勝。NBAホーム開幕戦のカードと、ワールドシリーズ最終戦のカードの当該チームのフランチャイズが同じ日に重なったのは史上初めてで、その歴史的な“コラボ”の中心地となったワシントンDCは、NBAウィザーズの試合が始まった午後7時すぎから騒然となった。

 ひと足早く試合が終わったのはワシントンDCのキャピタル・ワン・アリーナで試合を行っていたウィザーズで、八村塁(21)らの健闘も及ばず1点差で敗戦。しかし満員となった2万476人のファンは試合が終わっても帰らず、その場でナショナルズの試合を見守った。

 そしてウィザーズの敗戦から30分後にナショナルズがアストロズを下してワールドシリーズ初出場での初優勝を決めると、ワシントンDCでは各所に人があふれて大騒ぎ。道路には歓喜するファンで埋め尽くされ、道路標識のある支柱には興奮した男性が次々に登って雄叫びをあげていた。

 ワシントンDCを本拠にしている北米4大スポーツのチームが王座を獲得したのは2018年のNHLスタンレー杯決勝を制したキャピタルズに続き、2年連続。しかしこの日はウィザーズのホーム開幕戦も絡んだこともあって、地元スポーツファンにとってはエキサイティングな夜となった。

 NBAチームの開幕戦とワールドシリーズに出場している2チームのフランチャイズが同じになったのは、10年ぶり史上3度目。2009年に“奇跡のコラボ”を演じたのはNBAがニューヨーク・ニックス対フィラデルフィア・76ersで、ワールドシリーズは松井秀喜がMVPとなったニューヨーク・ヤンキース対フィラデルファ・フィリーズ。ニックスが地元ニューヨークでホーム開幕戦を行った10月31日、ワールドシリーズはフィラデルフィアで第3戦を行い、このシリーズでMVPとなる松井秀喜(当時)が代打でソロ本塁打を放っていた。

 最初にこの条件下での同一フランチャイズによる“異競技対決”が実現したのは1966年。NBAはウィザーズの前身ボルティモア・ブレッツがホーム開幕戦でロサンゼルス・レイカーズと10月15日に対戦していたが、その6日前にワールドシリーズで優勝を決めていたボルティモア・オリオールズの相手はロサンゼルス・ドジャースだった。ただしNBAのホームでの「始まり」と大リーグのワールドシリーズでの「終わり」が同一フランチャイズという形で同じ日に重なるのは、NBAがBBAという組織で発足した1946年以降、74年の歴史の中でこれが史上初めてとなった。

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