日本ハム小笠原ヘッド「こん棒バット」で鬼ガッツ注入!万波ら若手ビシバシ指導

[ 2019年10月31日 05:30 ]

万波(手前)を指導する小笠原ヘッドコーチ(撮影・村上 大輔)
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 日本ハムは30日、沖縄・国頭で秋季キャンプをスタート。栗山英樹監督(58)や球団から「鬼軍曹」としてナインに猛練習を課すことを期待される新任の小笠原道大ヘッド兼打撃コーチ(46)は、金棒ならぬ、極太の「こん棒バット」を手にして、若手を積極的に指導した。自身のように心身ともにタフで強い選手を育てる。

 球場にいた関係者の全てがざわついた。06年以来の古巣復帰となった小笠原コーチは、中日2軍監督だった昨年に作製した巨大バットを持参。長さ107センチ、重さは通常の約2倍の1・8キロだ。練習前には右手一本で素振りも披露。15年限りで現役を引退した46歳とは思えないパフォーマンスに、周囲からは感嘆の声が漏れた。

 練習開始後も、圧倒的な存在感で周囲の視線を独り占めした。シートノックなど守備練習は静かに見守っていたが「1日、2日は黙ってようと思ったけど、(来年3月20日の開幕まで)時間がない」と思い直し、打撃練習から熱血指導がスタート。大田、西川ら主力にも声を掛けつつ、将来性のある2人の若手には、身ぶり手ぶりを交えて助言を送った。

 1人目は昨年ドラフト4位で入団し、今季は2軍でチームトップの14本塁打をマークした万波だ。高速でティー打撃を行っていた19歳に歩み寄り「同じところに狙って打て」と助言。周囲からの注目を浴びて照れたような笑みを浮かべると「周りのことは気にするな!」と注意した。

 同じく熱血指導したのは高卒3年目の今井。自身が現役時代にロングティーなどで使用した操作性が難しい「長尺バット」を振らせるなど、積極的にアドバイスを送った。各選手と笑顔でコミュニケーションを取りながら一切の妥協を許さず、ナインは競うように練習量を増やした。結果、練習は午前10時スタートから7時間以上にも及び、日が落ちてから球場を後にする選手も多かった。

 栗山監督も過酷な練習を繰り返して現役通算2120安打を積み重ねた小笠原コーチに全幅の信頼を寄せている。初日から精力的に動いた同コーチについて振られ「みんな、学びたいものがあると思う。選手のことを把握してもらったら、ガンガンやってもらっても構わない」と大きな期待を寄せた。

 小笠原コーチは言葉に力を込める。「負けてるわけだから、全てに足りない部分がある。強い選手、どんな状況でも前を向いてプレーできる選手が一人でも多く出てほしい」。その選手が育てば、来季の4年ぶりVは近づく。(山田 忠範)

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