巨人・小林、人生初甲子園弾!プロ初4安打で菅野援護「凄くうれしい」

[ 2019年4月20日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人12―4阪神 ( 2019年4月19日    甲子園 )

<神・巨4>2回表1死、先制の3点本塁打を放ち笑顔で生還しゲレーロとタッチを交わす小林(撮影・後藤 正志)
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 巨人の小林誠司捕手(29)が19日の阪神戦で2回に左越え先制1号3ランを放つなど、プロ6年目で初の1試合4安打。平成最後となる阪神との「伝統の一戦」シリーズで、平成元年生まれの捕手がチームを14安打12得点の大勝に導いた。これで対阪神戦は開幕から4連勝。首位ヤクルトに0・5ゲーム差に迫った。

 大阪に置き去りにならない。正捕手の座をつかむべく、小林は両腕を必死に伸ばした。

 「(菅野を)援護したことがなかったので、良かった。積極的に振っていこうと思った」

 平成最後の伝統の一戦シリーズ。0―0の2回1死一、二塁、メッセンジャーの初球は109キロのカーブだった。本塁に体が覆いかぶさるほど、踏ん張る。左翼に運ぶ先制の1号3ランだ。昨年7月29日中日戦以来、264日ぶりの通算13発目。「すごくうれしい気持ちでした。勝てたので良かった」と、本塁まで走りながら笑顔が止まらなかった。

 平成最後に人生初の甲子園本塁打。広陵では3年時にセンバツで8強入りし、夏は準優勝。思い出の地で同じ平成元年生まれの菅野を援護した。4回に右前打、5回は中前打し、7回に右中間二塁打。こちらも初の4安打だ。8回は中堅手のグラブ横を通過して落ちた打球が失策と判断され、原監督は「なぜエラーなんだろう。5安打だと思う」と記録員に訂正を願い出る親心も見せた。

 打率は・361まで上昇した。開幕直前の3月。「関西燦燦(さんさん)会」総会で原監督から「小林はいるかい?」と、壇上から名前を呼ばれた。キャンプからティー打撃の球を上げて直接指導され、目標打率を・250に設定された。「一生懸命教えて・200ぐらいの打率であるならば、そのまま大阪に置いていこうかな」。冗談交じりの叱咤(しった)が胸に刺さった。

 17年10月のドラフト会議では、菅野と飲食店で食事をしながら速報を気にした。次々と捕手の名前が呼ばれ、育成を含めて大城ら計4人の捕手を獲得。意味を理解し、食事は喉を通らなくなった。今季は炭谷がFAで加入した。指揮官は小林を「守備に関してはもう世界一」と評する。盗塁阻止率は3年連続リーグトップを誇るだけに、課題は明白だった。

 チームは今季最多の12点で大勝。開幕から阪神戦4戦4勝は87年以来で、平成では初だ。「たくさん教えていただいてきた成果が出た。春先だけで終わらせないようにしたい」。昨季は4月下旬に打率リーグトップに立ち「春の珍事」と首脳陣に言われた。17試合中10戦で先発マスクをかぶる今季こそ真価を発揮する。 (神田 佑)

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