オリックス・増井「もっと完ぺきに」を目指し繰り返す“万全の準備”150セーブは通過点

[ 2019年4月20日 09:00 ]

<楽・オ>通算150セーブを達成した増井はファンの声援にこたえる(撮影・西海健太郎)
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 19日の楽天戦で、オリックスの増井が通算150セーブを達成した。勝ち越した直後の9回。「シーソーゲームだったし、(出番は)あり得ると思っていた」と万全の準備をして、しっかりと三者凡退でしめた。「150セーブもできると思っていなかったので、達成したことはうれしいです」と少しだけ笑ったが、「実感は全然ないですね」とも言った。

 先発投手と違い、きょうが終われば、すぐに次の試合へ向けて、心と体の準備を始めるからかもしれない。自戒の念もある。今季、開幕から2度のセーブ失敗があった。「打たれたときに目立つので、その時は辛いです」。どちらも試合は引き分けに終わり、精神的にもこたえたようだ。「クローザーとしては僕はパーフェクトではない。打たれるクローザーです。もっと完ぺきに抑えられるように、と思っています」と自虐的に振り返るほどだ。

 ただし、クローザーのポジションには「できるだけ長く、そこにいたいと思う」とキッパリ話す。抑えて当たり前とみられる過酷なポジション。心の支えは「勝利の瞬間に、マウンドにいられる」こと。チームで最も頼れる投手として、9回を任されることが最高のモチベーションだからだ。

 酷使してきた体だが、精密検査を受けた際、医師から「肩は野球をしていない人よりきれいですね」と言われたことがある。そこには増井の努力がある。クローザーは、試合状況によっては、何日も出番がないこともある。逆に3連投、4連投など当たり前。疲れた、調子が悪いなどの言い訳は通用しない。自らの体の状況を見極め、何パターンもの練習メニューを自らで組み立てる。登板が空く日には「懸垂」をメニューに入れ、肩の筋肉をきゅっと引き締めたりする。「社会人のときに懸垂をして、球速が上がったこともあって」と、MAXが144キロから150キロに上がった練習方法が、今はルーティンの1つ。様々な引き出しを持ち、何ごともなかったかのように普段通りのパフォーマンスを出すのが仕事だ。

 日本ハム時代、クローザーを任されていた武田久の離脱があり、12年から代役でクローザーを任されるようになった。12年には最優秀中継ぎ投手にも輝いており、「クローザーを始めたころ、まさかホールドより、セーブが上回るとは思っていなかった」と振り返った。先日、日本ハムの宮西がプロ野球史上初となる300ホールドを達成。宮西については「本当にハートが強いですよ。苦しんでいる姿を周りに見せなかったり。励まされた回数は、僕の方が多い」と持ち上げるのは、増井の優しさかもしれない。

 たまにはスポットライトを一番に浴びてほしい。手にした記念球は「家に飾ろうかなと思います」。都内の自宅には、100セーブ、100ホールド、全球団セーブなどの記念球が並んでいる。この日、また1つ勲章は増えたが、今季は自身初となるセーブ王のタイトルを狙っている。150セーブは通過点。きょうも変わらず、増井はマウンドへ上がる。(オリックス担当・鶴崎 唯史)

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