田沢 リベンジ5ホールド 日本投手のポストシーズン最多記録更新

[ 2013年10月29日 06:00 ]

<カージナルス・レッドソックス>7回2死一、二塁で登板し、ホリデーを抑え勝利を引き寄せたレッドソックス・田沢

ワールドシリーズ第4戦 レッドソックス4―2カージナルス

(10月27日 セントルイス)
 貴重な仕事をこなした。レッドソックスの田沢は1点を返され4―2になった7回2死一、二塁から登板。第2戦から3試合連続で右の強打者ホリデーと対戦した。直球を2球続け94マイル(約151キロ)で二ゴロ。右拳で左胸を2回叩き、誇らしげにベンチに戻った。

 前日の7回無死一、二塁ではスプリットを左翼線二塁打されていた。この日の試合前には3度目の対戦を想定し、フアン・ニエベス投手コーチらとミーティング。直球勝負でいくことを確認していた。「少し甘かったけど、思い切り腕を振って投げた」とリベンジに成功しうれしそうだった。

 これでワールドシリーズ4試合目の登板で、ポストシーズン通算5ホールド目。いずれも日本投手の最多記録を更新した。ただ本人は「意識していない」と淡々。むしろこの日は自分の前に投げて走者2人を残したブレスローのために抑えたかった。同じセットアッパーで「体調は大丈夫か」とよく声をかけてくれる先輩左腕。前日は同じ状況で生還を許しただけに「ブルペンは助け合いなので」と失点を許さなかったことを喜んだ。

 レッドソックス入りして5年目。完全にチームに溶けこんでいる。救援陣がブルペンの緊張感を和らげるために口に入れているのは、田沢が持ち込んだ森永製菓の人気ソフトキャンディー「ハイチュウ」。1年目の09年から遠征地で見つけるたびに、田沢が大量購入しているという。個性派軍団の中で、しっかりと居場所を築いている。

 世界一まであと2勝。当然疲れはあるが「みんな同じ条件。しっかり準備したい」。最後まで上原にバトンを渡す役目を全うする。

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