明大 38年ぶり春秋連覇 岡大が侍選出御礼同点打

[ 2013年10月29日 06:00 ]

<明大・法大>2季連続優勝を飾り歓喜の輪を作る明大ナイン

東京六大学野球第7週最終日 明大5―3法大

(10月28日 神宮)
 明大―法大2回戦が行われ、明大が延長12回、5―3で法大に連勝し、9勝3敗の勝ち点4で2季連続36度目の優勝を決めた。明大の2連覇は80年春以来で、春秋連覇は38年ぶり。日本ハムからドラフト3位指名を受けた4番・岡大海(ひろみ)内野手(4年)が8回に同点打を放つなど、チームをけん引した。明大は11月16日に開幕する明治神宮大会に出場する。

 38年ぶりの春秋連覇。4時間10分の激闘を制した明大ナインはマウンドで歓喜の輪をつくり、人さし指で天を指した。3度舞った善波達也監督は「夢を見ているような気持ち。練習の積み重ねが連覇という結果につながった」と目を細めた。

 頼もしい4番が連覇に導いた。2―3で迎えた8回2死三塁。岡は打席に向かいながら、自らに言い聞かせた。「ここで打たないと、自分は何をしてきたんだ」。同点の右前打。4番が窮地を救い、延長戦に持ち込んだ。そして12回2死二塁から2番・高山が右中間へ決勝三塁打。4番に憧れる2年生が試合を決めた。粘りの野球を掲げる善波監督の口癖は「攻撃は2死から」。5得点は全て2死から奪った。3点差をはね返した逆転劇は明大の真骨頂だった。

 岡は「また挑戦する機会をつかめた」と言って号泣した。春は3季ぶりに優勝したが、全日本大学野球選手権では準決勝で優勝した上武大に敗れた。長野県高森町での夏キャンプ。投手は連日、1時間40分の山登りで下半身を鍛え、野手は午前6時からバットを振り始め、夕食後も午後10時まで2時間の素振り。暗闇に「ビュッ」という音だけが響き、虫よけスプレーは50本を使い切った。

 「例年の倍は振り込んだ」と岡。投手と野手の二刀流に挑戦してきたが、今季は野手に専念。打率・250だったが、最後に努力は実った。二刀流の先輩、大谷のいる日本ハムに3位指名。侍ジャパンのメンバーにも選ばれ「稲葉コーチら偉大な方ばかり。全てを吸収したい」と語った。来月の明治神宮大会で念願の日本一をつかむ。その前に侍ジャパンの台湾遠征で日の丸を背負う男は「(侍ジャパンで)成長して臨みたい」と誓った。

 ▼明大・柴田(5回に代打2ラン。リーグ通算9打席目で初本塁打。BC・信濃の兄・健斗はオリックスから7位指名)4年間で一番いいスイングができた。

 ▼法大・河合主将(最終戦を6打数無安打で終え)明大とは完全な力の差があった。ここぞというところで手が出なかった。力負けだった。

 ◆岡 大海(おか・ひろみ)1991年(平3)7月15日、岡山県生まれの22歳。倉敷第一中では軟式野球部に所属。倉敷商では08年夏、09年夏に甲子園出場。明大では13年日米大学野球日本代表に選出された。1メートル85、83キロ。右投げ右打ち。

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