星野監督 予告先発提案のワケ 枚数多い巨人先発陣予想に不安

[ 2013年10月26日 06:00 ]

監督会議を終えて握手を交わす原監督(左)と星野監督

日本シリーズ第1戦 楽天―巨人

(10月26日 Kスタ宮城)
 球団初か、40年ぶり連覇か――。日本一を決めるコナミ日本シリーズ2013は26日、Kスタ宮城で開幕する。楽天・星野仙一監督(66)は25日、同球場で行われた監督会議で予告先発を切り出し、巨人・原辰徳監督(55)も了承。05年以来、8年ぶりの全戦予告先発が決まった。第1戦は楽天が則本昂大投手(22)、巨人が内海哲也投手(31)。「永遠のライバル」巨人を倒すために闘将が決戦を前に仕掛けた。

 粛々と進んでいた監 督会議。ルール説明を終えると、星野監督が急に笑顔になって、原監督に切り出した。

 星野監督 ペナントレース中は予告(先発)やってたよね。それどうするの?

 原監督 ルール的には…監督どうですか?

 星野監督 ウチはOK。おたくのように(先 発陣が)バラエティーに富んでないから。そちらで決めて。

 原監督 ファンの人がもし望むのなら、それに対し異論ありません。

 予告先発は監督会議の申し合わせ事項であり、両監督の合意があれば、実施できる。連戦の時は試合後、移動日の場合は午後3時に日本野球機構(NPB)を通じ、翌日の先発が発表されることも決まった。そして、第1戦の先発については、原監督が先に「内海でいきます」と宣言。星野監督は左横にいた佐藤投手コーチに「誰だっけ?」と、とぼけた上で「則本」と答えた。わずか4分。全戦予告先発は、05年のロッテ―阪神以来、8年ぶりとなる。

 星野監督は「ウチはシーズンと一緒。提案じゃないよ。素直に野球をやる」と語った。だが、巨人の先発陣は左右2枚ずつおり、秘密兵器の19歳左腕・今村も控える。一方の楽天は先発3枚は田中、則本、美馬の右3人で不動。予告先発は明らかに楽天に有利となる。先発投手を読み違えれば、経験の少ない若手選手は浮足立つ。レギュラーシーズン通りの戦いを実践するためにも、星野監督の「仕掛け」は大きな意味があった。

 日本シリーズは4度目だが、いまだ日本一の経験はない。相手は「永遠のライバル」と言い切る巨人。「今まではペナントレースを勝てば、それで終わりという感覚がどこかにあった。今回は少し考えている」。敵将の原監督についても「(原監督は)弟のような感じ。彼と対戦できるのは、僕がパ・リーグに来なかったら、楽天に来なかったら、なかった。本当に幸せ」と不思議な巡り合わせも感じている。

 日本最古のプロ球団と新興球団の激突。「プロの厳しさ、喜びをジャイアンツが教えてくれた。相手は偉大なチャンピオン。ウチの若手がどこまで抵抗してくれるか。ジャイアンツに勝って初めて本当の自信を付けられる」と言った。球団創設初、そして自身初の日本一へ、歴史をつくる舞台は整った。

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