エンゼルス・大谷ってすげぇ! 進化止まらん6回10K! 平均球速、回転数など昨季から向上

[ 2023年4月1日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス1ー2アスレチックス ( 2023年3月30日    オークランド・コロシアム )

<アスレチックス・エンゼルス>4回、バットを避ける大谷(撮影・会津 智海)
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 大リーグは30日(日本時間31日)、全30球団が一斉開幕し、エンゼルスの大谷翔平投手(28)はアスレチックス戦で2年連続の開幕投手を務めた。6回2安打無失点、10奪三振と相手打者を圧倒し、打者としても今季初安打を放った。救援投手が逆転を許し、今季初勝利こそ逃したが、直球の平均球速、平均回転数など各項目で昨季を上回るメジャー6年目の進化を見せつけた。

 試合後のクラブハウス。主砲トラウトは大谷の投球について問われると、身ぶり手ぶりを交えながら真剣な表情で語った。「Went from dominate to unhittable(支配的から、安打不可能に進化した)」。中堅の位置から観察した背番号17の投球はそれほど圧倒的だった。

 ハイライトは0―0の4回1死二、三塁。大谷が一気にギアを上げた。アギラを92・5マイル(約149キロ)のスプリットで、続くロレアノをこの日最速100・7マイル(約162キロ)直球で2者連続空振り三振。右拳を握り、雄叫びを上げた。「直球自体の調子は良かった」。6回を投げ、安打はこの回の2本のみ。気温11度と肌寒く「特に初回の温まるまで(投球フォーム全体の)タイミングが合わなかった」と苦心しながらも、毎回の10三振を奪う快投だった。

 メジャー6年目の進化は数字に如実に表れた。公式データサイトのベースボール・サバントによれば、昨季とこの日の比較で、直球の平均球速97・3マイル(約156・6キロ)→97・8マイル(約157・4キロ)、同平均回転数2217→2290、スイーパー(曲がりの大きいスライダー)の平均曲がり幅14インチ(約35・6センチ)→17インチ(約43・2センチ)とあらゆる項目で昨季を上回った。

 WBCの決勝・米国戦でトラウトを空振り三振に仕留め、世界一奪還、そしてMVPに輝いてから9日。中2日での調整登板を挟んでの過密日程下での2年連続開幕投手となったが「WBCで最後にクローザーで行った時の方が緊張していた。ああいうシチュエーションをキャンプ期間中にできたことは、僕的にはプラス」と言った。初回にサイン伝達機器「ピッチコム」が作動しないアクシデントに見舞われたが、慌てず通常のハンドサインに戻した。大舞台での経験があるからこそ冷静に投げ続けられた。

 4回にはこの試合で最速となる打球速度111・6マイル(約180キロ)の右前打でチャンスメークしたが得点にはつながらなかった。「今までの中でも一番」と表現した今季のフィジカルの状態は本物だ。心技体で過去最高の大谷が見られるシーズンが始まった。(柳原 直之)

 ≪歴史的逆転負けでなおエ≫今季も「なおエ」は健在だった…。1―0の7回に大谷の2番手で登板した右腕ハーゲットこそ3者凡退でしのいだが、8回から救援したWBC米国代表の左腕ループが炎上した。先頭のルイーズを右前打で出し、続くケンプに中越え二塁打を許して同点に。代打ルーカーこそ空振り三振に仕留めたが、後を受けた右腕テペラがA・ディアスに勝ち越しの左前打を許した。開幕投手が無失点で2桁奪三振は26人目だったが、チームが敗れたのは史上初という歴史的な逆転負け。球団ワーストを更新する開幕戦6連敗となりフィル・ネビン監督は「投手は打者との相性を考え投入した。キャンプでは実力を発揮してくれていたが」と厳しい表情だった。

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2023年4月1日のニュース