エンゼルス・大谷 魔球スイーパーでスイスイ打ち取る 直球超えの93球中45球

[ 2023年4月1日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス1―2アスレチックス ( 2023年3月30日    オークランド・コロシアム )

<アスレチックス・エンゼルス>力投する大谷(撮影・会津 智海)
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 エンゼルス・大谷は93球中、45球(48%)もスイーパーを投げ込みねじ伏せた。あまり沈まず横に大きく曲がるスライダーの呼称で、大リーグでは昨季から定着した。ホウキで掃くという意味で、米国では全勝などにも使われる「スイープ」が語源となり、ホームベース上を端から端まで一掃きするように大きく曲がる。大谷はMVPに輝いた21年中盤からこの軌道が増え始め、「軸の一つという捉え方」と投球の狙いを語っている。

 大谷のスイーパーは曲がり幅の大きさに特徴がある。この日は最大22インチ(約55・9センチ)。WBC決勝・米国戦の最後にトラウトを空振り三振に仕留めたスイーパーの曲がり幅18・9インチ(約48センチ)も話題を呼んだが、約7・9センチも大きく横に変化。「ピッチングニンジャ」として有名な投球分析家のロブ・フリードマン氏は自身のツイッターで大谷のスイーパーの動画を紹介し「フリスビー」と例えるほどの変化量だった。

 握りも特徴的だ。スイーパーを習得するために「オフに計10時間も大谷の投球映像を研究した」という同僚左腕デービッドソンによれば、人さし指と中指は「通常より広げた感じ」で縫い目に沿ってかけ、親指は曲げて強く握る。キャンプ前の自主トレ中から大谷を質問攻めにし「特に中指に力を入れて投げる」ことで、横変化を強められるという。

 メジャーデビュー戦で大谷の女房役を務めた新人捕手オハピーは「スイーピング・スライダー(スイーパー)は初回から良かった。本当に良かった」と感嘆。大リーグ公式サイトや米メディアから今季のサイ・ヤング賞候補に挙げられる大谷。魔球スイーパーがさらなる飛躍の鍵を握る。(柳原 直之)

 《インスタでスラダン風驚き》大谷は試合後には自身のインスタグラムのストーリーズを更新。1―0の5回に7番ピーターソンの右翼への大飛球を同僚の右翼手レンフローがノールックキャッチし、自身が両手を上げて驚いた様子の動画を紹介した。愛読漫画「SLAM DUNK」の相田彦一のセリフを引用した形で「アンビリーバブルや!!」とつぶやいた。大谷は試合後に「絶対安打だなと思った。ビックリした」と話していた。

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2023年4月1日のニュース