ヤクルト・村上、今季初打席で自身初開幕弾 WBC終えてフォーム改造、1打席目いきなり実った

[ 2023年4月1日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト4ー0広島 ( 2023年3月31日    神宮 )

<ヤ・広1>初回、村上は先制2ランを放つ(撮影・沢田 明徳)
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 プロ野球は31日、前日に先行して行われた日本ハム―楽天戦に続き5試合が行われ、全12球団が開幕した。リーグ3連覇を狙うヤクルトは村上宗隆内野手(23)が初回の今季初打席で中越えに決勝の1号2ラン。WBCでは侍ジャパンの主軸として世界一奪還に貢献した男が、自身初の開幕弾で勝利に貢献した。4年ぶりに声出し応援も解禁された23年シーズンが本格的にスタート。各チームが交流戦18試合を含む143試合を戦う。

 「1」を強調するかのように、右手の人さし指を空に突き立てた。昨年は最終打席で日本選手最多の56号を放った村上が、開幕戦の1打席目に今季1号だ。4年ぶりに復活した声出し応援。大きな歓声を浴びながら、ダイヤモンドを一周した。

 「チャンスだったので、甘く来た球を捉えようと。本当にWBCは凄い気持ちが入った。その流れ、同じ勢いで、集中して試合に入ることができた」

 プロ6年目で自身初の開幕弾。14年ぶりのWBC優勝に輝いた侍ジャパンのメンバーでも一番乗りとなる一発だ。初回2死二塁。大瀬良の見逃せばボール気味だった外角低めのカーブに反応した。過去、16打数3安打で打率.188でノーアーチだった開幕戦で中堅左に先制2ラン。昨季に史上最年少で3冠王に輝いた主砲が最高のスタートを切った一発が、決勝弾となった。

 新フォーム1打席目で結果を出した。耳より下にあったグリップの位置を耳より上に変更。「ちょっと手の意識が強過ぎたり、肩が入り過ぎたりするところがあった」とWBCを終え米国から帰国後、1週間でフォームを変えた。準決勝のメキシコ戦ではサヨナラの中越え二塁打、米国との決勝では同点ソロを放ったが、1次ラウンドは極度の不振で準々決勝以降は4番から5番に降格するなど、トータルでは不本意な成績。脱力を意識する新打法を披露し「今年はいろいろ挑戦しながら、やっていこうと決めている」と胸を張る。

 侍ジャパンの栗山監督からはWBC後に「野球の伝道師になれ」と言われた。その自覚も込めた一発。午前中にはともに世界一に貢献したエンゼルス・大谷の開幕戦もチェックし、エネルギーに変えた。「燃え尽き症候群の感覚はあるか?」と問われた村上は言った。「そんなの言っている時点でダメ。全くないです」。次はリーグ3連覇と日本一奪還のために、身をささげる。(青森 正宣)

 ≪ヤクルト3人目の初打席開幕弾≫村上(ヤ)が自身初の開幕弾をシーズン初打席でマーク。ヤクルト4番打者の開幕戦第1打席本塁打は、88年デシンセイ、06年ラミレスに次ぎ3人目で、日本人初だ。また、昨季は56本塁打をマーク。シーズン50本塁打以上の翌年に開幕戦で一発は、78年王貞治(巨)、86年落合博満(ロ)に次ぎ37年ぶり3人目となった。なお、WBC日本代表選手が、同年のシーズン開幕戦で本塁打は(<本>はWBCでの本塁打数)  
年度 打者名(所属)<本>
06年 小笠原道大(日) 0
09年 小笠原道大(巨) 0
13年 本多 雄一(ソ) 0
17年 坂本 勇人(巨) 0
23年 村上 宗隆(ヤ) 1
と4人目(5度目)で、WBCと開幕戦でともに本塁打は村上が初めて。

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