赤星氏「“ゲッツーでもいい”から生まれた阪神・梅野の先制打」 能見氏「開幕戦らしい投手リレー」

[ 2023年4月1日 07:20 ]

セ・リーグ   阪神6―3DeNA ( 2023年3月31日    京セラD )

<神・D>2回、先制適時打を放ち、ガッツポーズで雄たけびを上げる梅野(撮影・北條 貴史)
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 【赤星憲広&能見篤史 W視点】岡田監督が15年ぶりに猛虎を指揮した開幕戦。ともに阪神OBでもある本紙評論家の赤星憲広氏(46)、能見篤史氏(43)が現役時代から知る“岡田采配”に焦点を当てながら分析した。

 赤星 岡田監督らしい野球が見えたのは2回の攻撃だ。無死満塁で梅野が三遊間を破る先制打。あの場面、岡田監督はおそらくベンチで二ゴロや遊ゴロの併殺打なら1点が入るし、OKだと思っていたはず。私が現役の時は、“二遊間にゴロを打ってゲッツーでええんよ”とよく言っていた。

 能見 監督がそう言ってくれると打者は気分が楽だ。

 赤星 梅野は初球から2つ続けて低めボール球の変化球を空振りしたが、最後は安打で最高の形で先制点を奪えたのは、“ゲッツーでもいい”という心境が大きかったと思う。次打者の小幡がファーストストライクから積極的に振っていって、最後に中前適時打したのも同じだ。

 能見 さらに続いた無死満塁で青柳は一度も振らずに見逃し三振だった。

 赤星 あれも岡田監督のサインだと思う。あわよくば…で打っていって、1点も入らない投ゴロや三ゴロのホームゲッツーは避けたかった。

 能見 投手起用では青柳を6回2死一、二塁で岩崎に代えた。結果は代打・宮崎の中前打で1点を失ったが、岡田監督らしい、そして開幕戦ならではの采配だと思う。青柳は真っすぐで押し込めてファウルを取れていた。本人はもっと長いイニングを投げたかったと思うし、実際に投げられたと思わせる内容だったが、開幕戦は両軍の全選手に独特の緊張感があるし、救援陣も早くみんなに“開幕”させたいベンチの思いもある。

 赤星 K・ケラーは2失点したが、岩崎→浜地→K・ケラー→湯浅という勝ちパターンで逃げ切ったのも大きい。

 能見 湯浅は満塁を背負ったが、今日に限ってはゼロに抑えた結果がすべて。K・ケラーも力強い真っすぐを投げていたし、8回と9回を任せられる2投手とも、次は落ち着いてマウンドに立つことができる。

 赤星 ノイジー、大山、佐藤輝の中軸3人に安打が出て、中野と小幡の二遊間の好守、ランエンドヒットあり、セーフティースクイズあり、といいところがたくさん出た。

 能見 投手を見てもエースの青柳に勝ちがついて、湯浅にもセーブがついた。攻守ともにナイスゲームだった。

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