阪神・青柳 プロ8年目初の大役に燃えた!投げては5回2/3を1失点 セーフティースクイズも決めた

[ 2023年4月1日 06:00 ]

セ・リーグ   阪神6―3DeNA ( 2023年3月31日    京セラD )

<神・D>お立ち台で笑顔の(左から)青柳、梅野、湯浅(撮影・大森 寛明)
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 背番号17の“劣等生”が晴れ舞台で躍動した。8年目で初の開幕投手。阪神・青柳は5回2/3を2安打1失点で白星をつかんだ。決してエリートではない。やっとたどり着いた栄えあるマウンドで輝いた。

 「入りが大事だと思ったので(初回から)全力でいきました」。気合が違った。2回に自己最速タイの149キロを計測するなど余力を考えず腕を振り、4回まで完全投球。4回の打席ではセーフティースクイズも決めた。

 これも運命だろう。初の大役で対峙(たいじ)したDeNA・三浦監督は実は特別な存在だった。高校時代に同監督の著書「逆境での闘い方」(12年)を読み、あるフレーズを胸に刻みここまできた。

 “俺は劣等生”――。

 「三浦さんの本を読んで“劣等生”という言葉を知ったんですよね。そこから言葉の意味も調べて。自分に合っているなと」。アマチュア時代は強豪校でプレーせず、プロでも5位入団と本流を歩んできたわけではない。自分にしか表現できないもの、見せられるものがあると信じ、腕を振る。

 「僕と輝が並んでも輝の方が注目されますし、根尾が甲子園でピッチャーやった時とか、その差は凄く感じる。スターで入ってきた選手はスターのままで、僕はスターじゃなくて良かったなと。スターじゃない方が世の中多いじゃないですか。理由をつけて夢を諦めちゃう人が多いから、その人たちの希望に僕はなりたい」

 27日にはスポーツの神様として知られ、大学4年時から訪れている京都の白峯神宮で愛妻と手を合わせた。コロナ感染で断念した2年分の必勝祈願。「しっかり今年も行ってきました」と勝利の“下準備”は整っていた。

 6回途中での降板。エースからしたら物足りないかもしれないが、何よりも欲しかったものが、その手にある。「チームが勝てば一番。今日はそれが一番大きいかなと」。“劣等生”が地力を見せつけた1勝だった。(遠藤 礼)

○…初の開幕投手を務めた青柳(神)は15年のドラフト5位指名で阪神入団。チーム生え抜きの開幕投手では97年先発の川尻哲郎(94年ドラフト4位)を更新し、最も低い指名順位からの大役だった。なお、川尻は敗戦投手。ドラフト制以降入団(66年~)の生え抜き開幕投手の勝利は70、71、74、75年の江夏豊(66年1次1位)、90年中西清起(83年1位)、02、04年の井川慶(97年2位)、08~10年の安藤優也(01年自由枠)、11年能見篤史(04年自由枠)に続く6人目。

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2023年4月1日のニュース