中畑清氏　再逆転劇“演出”した中日・小笠原の思い

セ・リーグ   巨人3－6中日 （ 2023年3月31日    東京D ）

＜巨・中＞8回、中田翔に逆転の右適時三塁打を許した小笠原（中央）（撮影・西川　祐介）
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　【中畑清　視点】野球って凄いな。土壇場で二転三転。最後まで何が起こるか分からない。WBCの熱気がそのまま続いている。開幕から野球の面白さ、怖さが凝縮した試合を見せてもらった。

　まずは8回、巨人の逆転劇。中田翔が追い込まれながら小笠原が勝負に来た145球目の内角真っすぐをおっつけて右翼線に運んだ。インハイの真っすぐを左翼席に押し込んだパワーの1号ソロに対して技の逆転三塁打。今季に対する意気込みが伝わってきた。

　一方、これで降板させられた小笠原。この回がチェンジになったとき、真っ先にベンチを出て仲間を出迎えていた。熱投むなしく力尽きた左腕が、だよ。そんな姿を見せられたら野手は奮い立つよ。代走・高松の好スライディング、高橋周の決勝打…。目を真っ赤にした小笠原が再逆転劇を演出した気がする。私も、もらい泣きした。