Rソックス・吉田 日本人初4番デビューで好発進マルチ 気温4度開幕でも「心はHOT」

[ 2023年4月1日 02:30 ]

ア・リーグ   レッドソックス9-10オリオールズ ( 2023年3月30日    ボストン )

<レッドソックス・オリオールズ>6回、メジャー初安打初打点となる適時打を放つ吉田(撮影・光山 貴大)
Photo By スポニチ

 レッドソックス・吉田は日本選手初の開幕4番デビューを飾った。3万6049人で埋まったメジャー最古の本拠地フェンウェイ・パークで「4番・左翼」で出場。2安打1打点で上々の滑り出しとなった。

 待望の初安打は3打席目だった。6回無死一、二塁。2番手左腕アキンの高め直球を逆らわずに振り抜くと、打球は二遊間を破る適時打となった。メジャー初安打と初打点を記録すると、8回1死一塁で迎えた第4打席でも右腕ベーカーから打球速度100・5マイル(約162キロ)の鋭い打球を放った。一塁を強襲し右翼線に抜ける安打。デビュー戦のマルチ安打は、日本野手では08年のカブス・福留孝介以来、15年ぶり4人目となった。

 試合前のセレモニーでは「WBCチャンピオン」と紹介され、チーム最大級の大歓声を浴びた。「凄く新鮮な気持ちでプレーできたし、また新しい感情で今日を迎えられた」。人気ラッパーのフロー・ライダーの「Good Feeling」を登場曲に乗って躍動した。2点を追う9回1死一、二塁では「ヨシ!ヨシ!」の大コールが湧き起こった。惜しくも遊ゴロで併殺を狙った送球が悪送球となり、その間に二塁走者が生還して1点差に迫ったが、あと一歩及ばず試合には敗れた。「手出しが中途半端になった。仕留められたら良かった」と反省したが、大会新記録13打点挙げたWBC打点王の実力は十分示した。

 試合開始時で気温4度という寒さの中、体を温めるホットクリームを準備。いきなりファンを熱くさせ「ベリー・コールド!寒かったですけど、心はホットでした」と英語、日本語を交えて答えた。「この舞台に立てて満足することはないけど、いろんな人に感謝をしなきゃいけない」。熱い言葉と、冷静なパフォーマンス。「野球人生が終わった時に振り返ればいい」。WBCとのダブル世界一を掲げ、好調な勢いのままスタートを切った。(杉浦大介通信員)

 【正尚に聞く】

 ――開幕戦の雰囲気で感じたことは?
 「セレモニーやアメリカの国歌を聴いてジーンとくるものがあった。まだ1試合だが、野球とベースボールの違いというのも少しずつ感じながら、新鮮な気持ちでプレーできた」

 ――セレモニーでは「WBCチャンピオン」と紹介された。
 「あとは結果を出していくしかない。そういう期待に応えられるように。選手としては一つ意気に感じるところ。そういうものは大事に持って、やっていきたいと思う」

 ――初安打のボールは?
 「ロッカーにある。家族に見せて、日本に帰る時に持って帰ろうかなと思う」

 ――感じた野球とベースボールの違いとは?
 「パワーであったり、投手のモーションやクイックとかも日本と違うところがあった。チームによってカラーも違うし、今後やっていかないと分からないと思う」

 ≪開幕除いても日本選手初≫吉田が日本選手初の開幕4番デビューを飾った。開幕を除いてもデビュー戦で4番に座った日本選手はこれまでいなかった。20年のレイズ・筒香は3番でデビューし、2戦目に4番で出場した。他の打者では5番デビューが03年ヤンキース・松井秀喜と08年カブス・福留孝介。6番デビューが07年デビルレイズ・岩村明憲と22年カブス・鈴木。1番デビューが01年マリナーズ・イチローと04年メッツ・松井稼頭央。18年エンゼルス・大谷は8番でのデビューだった。

続きを表示

2023年4月1日のニュース