川井友香子、逆転フォール負けに「情けない」姉妹五輪内定は持ち越し

[ 2019年9月20日 05:30 ]

レスリング 世界選手権第6日 女子62キロ級3回戦 ( 2019年9月19日    カザフスタン・ヌルスルタン )

女子フリー62キロ級3回戦で敗れた川井友(手前)(撮影・会津 智海)
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 東京五輪予選を兼ねて行われ、女子62キロ級の川井友香子(22=至学館大)はティニベコワ(キルギス)に3回戦でフォール負け。男子フリースタイル65キロ級の乙黒拓斗(20=山梨学院大)、女子68キロ級の土性沙羅(24=東新住建)はともに3回戦で敗れ、20日の敗者復活戦に回った。女子57キロ級の川井梨紗子(24=ジャパンビバレッジ)は3度目の世界一に輝き、同76キロ級の皆川博恵(32=クリナップ)は決勝で敗れて銀メダルだった。

 一瞬の出来事だった。1―1の残り2分5秒、川井友が相手のバックを取って2点を追加。そこからローリングをかけようとしたが体勢が悪かった。逆に相手に抑え込まれて抵抗できず、あっさりとフォール負けした。

 試合後は報道陣の前にぼうぜんとした表情で現れ「情けないのひと言です」と小さな声でポツリ。4月のアジア選手権決勝でも敗れている相手の圧力に戸惑い「焦って技をかけにいってしまった」。部屋には昨年の世界選手権の銀メダルではなく「悔しさがあった」というアジア選手権の銀メダルを飾っている。雪辱は果たせず、その場に泣き崩れた。

 前日18日には姉の梨紗子が決勝進出を決めて五輪代表に内定。試合前には「いつも通りやれば大丈夫」と声を掛けられた。姉妹で東京五輪が現実味を帯びてきた昨年、2人で階級を相談して決めた。「62キロ級に行くならしっかり体づくりをしてやるだけ。梨紗子も考えてくれているから、自分も覚悟を持ってやらないといけない」。筋力トレーニングの時間を多く取り、胃が強くない中で食事も回数と量を増やして体をつくってきた。

 08年北京五輪の伊調千春・馨姉妹以来の姉妹で五輪出場は20日の敗者復活戦に持ち越し。今大会で姉と同じ色のメダルを獲ることはできなかったが「こうなってしまったのは受け入れるしかない。銅メダルを獲れるように、自分が後悔しないようにあとは全力で戦うだけ」と最後はしっかりと顔を上げた。

 ◆レスリング東京五輪への道 五輪実施階級で世界選手権5位以内の国と地域に出場枠が与えられ、メダルを獲得した選手は東京五輪代表に内定。5位の選手は今年12月の全日本選手権で優勝すれば代表が決まる。優勝者が異なる場合はプレーオフを実施。今大会で五輪出場枠を逃した階級は、全日本選手権覇者を来年のアジア予選、世界予選に派遣して出場枠獲得を目指す。

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