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こだわり旬の旅

【神奈川・相模原】リニアで注目 潤水都市をホロ酔い歩き 日本酒、ビール、ワイン…多様な酒造会社を巡る

[ 2026年5月3日 19:00 ]

銘酒「相模灘」を前に話す久保田酒造の9代目・久保田さん
Photo By スポニチ

 リニア中央新幹線の停車駅設置が予定されることで脚光を浴びる神奈川県相模原市。「潤水都市」とうたうように水の豊かな街でもあり、日本酒やビール、ワインなど多様な酒造会社が点在する。一角には卵を販売する「たまご街道」や、月の裏撮影で注目の宇宙を研究するJAXAもあり、興味あるスポットが盛りだくさん。“潤水の街”を歩いた。

 都心近くの街にこれほど酒造会社があるとは思わなかった。日本酒、ビール、ワイン、リキュール、焼酎の6社。まずは2つの日本酒の酒蔵のうち、付近にリニア駅設置が予定されるJR横浜線橋本駅からバスで約30分の久保田酒造を訪ねた。

 丹沢山系の湧水を用いて「相模灘」を製造する創業弘化元年(1844年)の老舗酒造。里山を思わせる地域の串川に架かる橋を渡ると、築180年という重厚な木造建築の母屋が見えてきた。中が直売所になっており、「相模灘」のさまざまな種類が並ぶ。「米の旨味を生かしたバランスのいい食中酒を目指している」とは9代目の久保田徹さん(46)。試飲すると、確かに香り穏やかでコクがある。同酒藏では製造過程で生まれた酒粕から焼酎も造っており、「ムダにすることがないという意味ではサステナブルな酒蔵なんです」と言うのもうなずけた。

 同じ緑区には県内で最も古い歴史を持つ宝暦年間(1750年代)創業の酒蔵、清水酒造もある。だが、日本酒の次はビールと、同線相模原駅から徒歩約15分のクラフトビールの「ケンズブルワリー」に向かった。

 こちらは2022年に沼田賢一さん(61)が脱サラして開業、24年に醸造免許を取得して自家醸造ビールの提供を開始した醸造所兼タップルーム。常時8種類ほどの個性的なビールを提供している。その中で飲み口スッキリのラガータイプを飲んだが、「いろんなビールを興味の赴くままに造ってきた」(沼田さん)と言うだけに、最新の第19弾としてうどんの出汁で仕込んだユニークなビールを開発。クラフトビールならではのポテンシャルの高さを思わせた。

 クラフトビールの醸造所はほかに、JR中央本線藤野駅からバスで約15分の佐野川沿いに「Jazz Brewing Fujino(ジャズブルーワリングフジノ)」も。製品は同駅周辺のレストランなどで提供しているが、どうしても「Kentoku Winery(ケントクワイナリー)」が気になり、JR相模線番田駅から徒歩約4分の工場を訪ねた。

 産業廃棄物中間処理業者が運営するワイナリーで、自社栽培・自社醸造で市内唯一の「相模原ワイン」を生産。同所でワインの提供はなく、酒販売店で購入して飲んだが、優しい味わい。「相模原に恩返ししたい」と、15年から始めたという欧州品種中心の醸造ぶどう栽培に、ワインにかける意気込みが感じられた。

 3種の酒でホロ酔い気分。中央本線相模湖駅から徒歩約20分の、イタリア発祥のリキュール「アマーロ」を製造する伊勢屋酒造には足を伸ばせなかったが、“相模原の酒”の魅力を知るには十分。バリエーションの豊かさに酔いしれた。

 ▽行かれる方へ 車は圏央道相模原ICから約10分(飲酒厳禁)。久保田酒造では酒蔵見学もできる(要予約)。問い合わせは同酒造=(電)042(784)0045、ケンズブルワリー=(電)090(6718)9769、相模原市観光協会=(電)042(704)9046。

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