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こだわり旬の旅

【茨城・大洗】空と海、神磯の鳥居…黄門様も称えた絶景がそのまま!大洗美術館のユニーク“動く名画”

[ 2025年11月3日 19:00 ]

金色に縁取られた大洗美術館の「風景窓画」。刻一刻と風景が変わる“動く絵画”だ
Photo By スポニチ

 ユニークな絵画があると聞いて、茨城県は大洗町を訪ねた。ガラス窓に額を付け大洗海岸の風景を絵画に見立てたもので、その名も「風景窓画(そうが)」。その中には岩礁に建つ鳥居の絶景が広がる。対面にはそれを見守るように平安時代の古社が遷座。近くにはサメの飼育種類数日本一の水族館もあり、都道府県魅力度ランキングで下位にいる県とは思えなかった。

 マリンブルーの海、海岸線に顔を出す岩礁、その上に立つ鳥居――絶景が広がる「風景窓画」は、JR常磐線水戸駅からバスで30分の太平洋を望む大洗美術館にあった。300号(約3×1・8メートル)のサイズで金縁で囲まれ、空や雲、海の色と波、陽光などが刻一刻と変化する“動く絵画”。時折、足元に波をかぶりながらも凜としてたたずむ鳥居の姿は神秘的で、外で見るより気高いように見えた。

 「昔、旅館だった当館を訪れた東山魁夷(日本画)や正岡子規(俳句)をはじめとした宿泊客が、この景色を称賛。ならばもっと多くの人に見てもらいたいと、1979年(明治12)に美術館としてオープンしました」とは同館代表取締役の榎本宇内さん。あの黄門様こと徳川光圀も、同館前の丘(標高27メートル)にある大洗磯前(いそさき)神社に参拝した折、海岸の絶景を称え「あらいその岩にくだけて散る月を一つになしてかへる浪かな」と詠んだほどという。

 それもそのはず、岩礁は同神社の御祭神の大己貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)が降臨したといわれる場所で「神磯」と呼ばれ、鳥居の名も「神磯の鳥居」。大洗磯前神社の複数ある鳥居のうちの1つで、高さ3・2メートル、幅4・5メートルの大きさ。1959年(昭34)に建てられ、「初日の出の名所」としても知られる。

 これに対し、残りの鳥居は迫力たっぷり。特に丘の麓の県道173号線をまたいで建つ鳥居は、同16・2メートル、22・5メートルと関東有数の畳6畳分の大きさ。同道沿いの境内入り口に建つ鳥居も同12・5メートル、16・5メートルあり、そこから本殿・拝殿までのそびえるような148段の階段に圧倒される。上るのはキツそうだったが、御祭神は医療、福徳の神と聞いて果敢に挑戦。休みながら何とか上りきると、ここでも鳥居と絶景が待っていた。

 建物に遮られ神磯の鳥居こそ見えないが、鳥居の向こうに水平線まで続く太平洋が一望の下。ダイナミックで優美な景観だ。参拝した茅葺き屋根の本殿と鮮やかな彫刻が施された拝殿は、戦国時代の戦火で焼失し光圀の命によって再興され、1730年(亨保15)に完成したもので、鎮守の森に囲まれ、時が止まったようにたたずむ。300年以上前、黄門様もこの光景を目にしたかと思うと、その場を立ち去りがたかった。

 ▽行かれる方へ 車は東水戸道大洗ICから国道51号線などを利用し約10分。大洗磯前神社へは車道を歩く行き方も。大洗美術館の入館料500円。問い合わせは美術館=(電)029(266)2637、磯前神社=(電)同(267)2637、大洗観光協会=(電)同(266)0788。
 

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