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セレッソ大阪 サクラ咲ケ

決めろ豊川弾! 23節から3戦4発の大当たり リーグ残り5戦での再爆発に期待

[ 2020年11月28日 13:30 ]

<C大阪・G大阪> 前半、同点ゴールを決め雄叫びを上げるC大阪・豊川(左から3人目) (撮影・後藤 大輝)
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 C大阪は29日、ヤンマースタジアム長居で横浜FC戦に臨む。天皇杯出場権を獲得できる2位を目指す中、終盤戦に来て定位置をつかんでいるのがFW豊川雄太(26)。スピードや一瞬の飛び出しに優れ、第23節からは3戦4発と大暴れした。抱えていた右膝の故障も完治しており、ホームのサポーターの前で再びネットを揺らす。

 自分の役割は十二分に理解している。2トップの一角に定着し始めた豊川は、常に最終ラインと駆け引きをしている。「ゴールを取ることに頭を使っているし、チームのみんながそこ(ゴール前)まで運んでくれるから、ほかのいろんなことに頭を使わなくていい。仲間を信じて、ゴールを取ることに集中している」。ゴールゲッターとして、託された最後の仕上げに全力を注いでいる。

 背番号32を強烈に印象づけたのが、10月17日に行われた第23節横浜戦だった。後半21分から出場すると、迎えた同26分、DF片山のロングパスで最終ラインを抜け出すと、右足で絶妙なトラップ。飛び出していたGKの位置を見定めて鮮やかなループシュートを沈め、待望の移籍後初ゴールはJリーグの「月間ベストゴール」に選出された。

 この芸術弾にとどまらず、後半35分には相手GKとの1対1を仕留めて2点目。限られた時間の中で勝利の立役者となった。ただ、ここに至るまでの道のりは平たんではなかった。昨オフにベルギー1部オイペンから完全移籍で加入。「日本に帰ってきた1年目は凄く大事なシーズンになる」と決意を持って今季に臨んでいたが、8月5日のルヴァン杯浦和戦で右膝を負傷した。

 完治に思っていたよりも時間を要し、復帰まで約2カ月もかかった。「プロになって2週間以上、休んだことがなかったんで。体的にもメンタル的にも難しかった」。それでも、再発しないためにトレーナーと慎重にリハビリを重ね、筋力強化や体の動かし方などの改善にも着手。あふれるモチベーションとともに、より一層パワーアップしてピッチに帰ってきた。

 結果を残した横浜戦を含め、3戦連発とゴールを量産。瞬く間に定位置を奪い取った。サイドアタッカーも担っていた鹿島や岡山に所属していた頃とは違い、ベルギーでは得点を決めることを求められ、完全なストライカーに変ぼう。パスを供給できる選手がC大阪にはそろっている中、清武らとのホットラインはできつつある。

 「キヨくん(清武)や曜一朗くん(柿谷)がボールを持った時は(2人を)見ないままでも動き出すことを意識している。あの人たちは、味方が動き出せばパスを出せる」

 コロナ禍で怒濤(どとう)の日程をこなしてきた今季も、残り5試合となった。天皇杯出場権を獲得できる2位でシーズンを終えるためには、ここからは一戦必勝が求められる。「緊張感のある試合が続く。全員で戦っていきたい」。熱いプレーが身上の男が、最前線からチームを鼓舞する。

 《18歳のスーパールーキー・西川にも期待》
 期待のルーキーに出番は訪れるのか。横浜FC戦で引き続きスーパーサブとして待機することが予想されるのが、高卒1年目のU―19日本代表候補FW西川潤(18)。これまでの右MFではなく、10月以降はFWとして起用されることが多くなっている。

 「1・5列目というか、裏にもパスを出せるのが理想像。それが自分の良さなのかなと思う」。桐光学園高時代にはトップ下でプレーしており、サイドより中央の方が持ち味を発揮できるタイプ。自らゴールに迫るだけでなく、味方を生かす能力も備えている。

 15~18日にはU―19日本代表候補の合宿に参加し、同年代の選手から改めて刺激を受けた。若き18歳のレフティーが、本拠のピッチで存在感を示す。

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