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セレッソ大阪 サクラ咲ケ

加藤陸次樹 金沢での経験糧に得点能力開花させる

[ 2021年5月18日 13:49 ]

前節の神戸戦でJ1初先発を飾ったC大阪FW加藤陸次樹

 C大阪の選手やスタッフが思いを語る連載『サクラ咲ケ』の第16回は、前節の神戸戦でJ1初先発を飾ったFW加藤陸次樹(23、写真)。広島ユース、中央大、J2金沢を経て今季から加入した万能型FWが、これまで歩んできた道のりや今後について語った。

 リーグが開幕して約3カ月がたちました。金沢からセレッソに来た当初は、やり方が全く違っていたので苦労したのが正直なところです。例えば、金沢は守り方がマンツーマンなんで、FWの自分もセンターバックにガーッと行っちゃうことが多くて。セレッソの方が基本形なんですけど、慣れるまで時間がかかりました。

 小さい頃からFWでプレーしていて、埼玉のクマガヤSCから広島ユースに行き、その後に中央大へ進みました。広島ユースでは、トップに上がれそうだった中で9~10月に昇格できないことを告げられて。他の行き先も簡単には見つからず、精神的に相当きつくて「サッカーを辞めよう」と思ってました。

 でも、そんな自分を説得してくれたのが親でした。「今までやってきたことが無駄になるんじゃないか」、「諦めるなら仕方ないけど、大学からプロに行って活躍する選手もいる」、「もったいない」――。その言葉で何とか思いとどまって。広島ユースまでずっと一緒だった双子の兄の威吹樹(いぶき)は、法政大に進んですぐに試合に絡み始めた。そこでもう一回、気持ちにスイッチが入りました。そういう意味でも、家族には本当に感謝です。

 大学4年の時には金沢や大宮、清水に練習参加して、その中で最初にOKをくれた金沢に加入することを決めました。金沢でプレーした昨年を振り返ると、本当に良いチームに入れたなと思います。監督(柳下正明監督)は選手にはっきりと言う方で、自分も常に課題を与えられていました。クロスの入り方や裏に抜け出すタイミング、チェックの仕方。練習して、チャレンジして…。その繰り返しの毎日でしたね。

 昨年の1年間があったからこそ、今があると思っています。自分は、例えば代表入りといったような大きな目標は立てるタイプじゃなく、いつも直近のことしか考えていなくて。まずは今年、もっともっと得点を取りたい。直近の試合に集中して、自分が点を取ってチームに貢献したいなと思っています。(C大阪FW)

 ◇加藤 陸次樹(かとう・むつき)1997年(平9)8月6日生まれ、埼玉県出身の23歳。クマガヤSCから広島ユース、中央大を経て20年に金沢加入。プロ1年目の昨季にJ2で42試合出場13得点と結果を残し、今季からC大阪へ完全移籍で加入。陸次樹という名前は「だいぶ気に入っているけど、由来は聞いたことがない」。1メートル78、69キロ。利き足は右。

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