月組 珠城りょう 自粛期間に取り戻した〝本来の自分〟

[ 2020年10月3日 05:30 ]

宝塚らしい華やかな日本物レビューでの珠城(右)とトップ娘役・美園さくら
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 兵庫・宝塚大劇場で上演中のミュージカル「ピガール狂騒曲」はトップスター珠城りょうが、初めて2役に挑戦、併演の日本物レビュー「WELCOME TO TAKARAZUKA」は歌舞伎俳優で人間国宝の坂東玉三郎(70)が監修として、初めて宝塚を手掛けたことでも話題だ(11月1日まで。11月20日~来年1月3日=東京宝塚劇場)。

 「WELCOME…」ではベートーベンの「月光」、チャイコフスキー「くるみ割り人形」の「花のワルツ」など、クラシックの名曲にあわせ、迫力ある日本舞踊を披露する場面の連続は圧巻だ。珠城も「大地を踏みしめて力強く前に進んでいくような、緊張感あるリズムにエネルギッシュなステップ。どの場面を見て頂いても心に響くものがあると思います」と胸を張った。

 新型コロナの影響で、決めていた来年2月での退団は同8月に延びた。稽古自粛中は、見ることのなかった自分のビデオを見たり、初めてパン作りに挑戦し大成功した。「それまでは常に〝強くあらねば〟と思っている自分がいた。この自粛期間中、ビデオを見て〝頑張ってきたんだな〟と初めて自分を認めることができた。本来持っていた下級生のころの自分に戻れたような。心がほぐれて今すごく楽しいし、フレッシュな気持ち」。歩みを止めた期間をプラスに捉え、舞台に臨む姿がまぶしい。(土谷美樹)

 ◇珠城 りょう(たまき・りょう)10月4日生まれ、愛知県蒲郡市出身。光ヶ丘女子高を経て08年初舞台。月組配属。10年「スカーレットピンパーネル」で新人公演初主演。16年9月、入団9年目と天海祐希の7年目に次ぐスピードでトップ就任。身長1メートル72。愛称「りょう」。  

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