月組・月城かなと 光る細やかな演技力、豊かな表情 新時代構築への期待膨らむプレお披露目公演 

[ 2021年10月16日 05:30 ]

トップスターの象徴である大きな羽根飾りを初めて背負い、パレードする月城かなと
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 月組新トップスター月城かなとのプレお披露目公演「川霧の橋/Dream Chaser―新たな夢へ―」が福岡・博多座で開幕した(11月3日まで)。

 「川霧の橋」は山本周五郎の「柳橋物語」「ひとでなし」をベースにした人情話で1990年、剣幸(67)とこだま愛(60)のサヨナラ公演として上演された日本物。江戸・隅田川周辺を舞台に、若い男女が運命に翻弄(ほんろう)されながらも懸命に生きる姿を描いた秀作で、定評ある月城の細かな演技力が客席を引きこんだ。

 一方、前トップ・珠城りょうのサヨナラ公演版を進化させた「Dream…」は見応えのある場面が続々。新トップ娘役・海乃美月(うみの・みつき)とのデュエットはストーリー性ある振り付けで表情も豊かにファンを魅了した。さらに、鳳月杏(ほうづき・あん)ら男役スターとベン・E・キングの名曲「スタンド・バイ・ミー」に乗ってダンスを披露。「僕のそばにいて…」とする歌詞も相まって、新生月組を率いる覚悟を思わせた。

 「この博多の地で公演を見ていただける幸せをかみしめ、自分自身の限界に挑戦し続けたい」。このコメント通り、新時代を築いてくれるはずだ。(土谷 美樹)

 ◇月城 かなと(つきしろ・かなと)12月31日生まれ、神奈川県出身。田園調布学園高を経て2009年初舞台。雪組に配属。13年「Shall we ダンス?」で新人公演初主演。17年2月、月組に異動。今年8月、トップスターに。身長1メートル72。愛称「れいこ」。

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