宝塚星組・天飛華音 劇場の空気を支配 力強さにあふれた最後の新人公演

[ 2023年1月7日 11:00 ]

 【Saturday宝塚】星組の男役ホープ、天飛華音(あまと・かのん)が主演を務める最後の新人公演「ディミトリ~曙光に散る、紫の花~」が19日、東京宝塚劇場で行われる。

 先日行われた宝塚大劇場での公演では、3度目の新人公演主演ということもあり、落ち着いた芝居運びに男役らしい深い声など経験値を感じさせた。本人も「落ち着いてできたかな」と手応えを感じ「それでも、まだまだ課題だらけと同時に感じているので、東京ではもっと心を動かしながら役として息づきたい」とさらなる飛躍を誓った。

 トップスターの礼真琴からもらった「命を懸けて頑張れ」というメッセージに、早替えで舞台袖に戻る度に励まされたという熱演。

 公演最上級生としての自覚も十分だ。「今までは自分のことだけに必死になってしまう部分があったけれど、今回は“お客さまとの空間を大切にしながら演じたい”と思って臨んでいました」と劇場全体の空気を支配する力強さにあふれた。「私一人で頑張るのではなくて、役としても芸名の私としても、このカンパニーの皆とのつながりを大事にしたかった」。きっぱり言い切る姿も頼もしかった。(土谷 美樹)

 ◇天飛 華音(あまと・かのん)2月9日生まれ、鹿児島県出身。鹿児島市立吉野中を経て16年初舞台。星組配属。19年「GOD OF STARS」で新人公演初主演。身長1メートル71。愛称「カノン」。

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