宝塚雪組・朝月希和 難役を自身の道のりに重ね合わせ「最後の瞬間まで成長する姿見せたい」

[ 2022年10月29日 11:00 ]

 【Saturday宝塚】兵庫・宝塚大劇場で上演中の「蒼穹の昴」(11月7日まで。東京宝塚劇場は11月26日~12月25日)で退団する雪組トップ娘役の朝月希和。

 「“最後”という実感があるようで、ないようで。ふとした時に“最後なんだな”と、いろんな感情がこみ上げてきますが、ただ作品をよりよくしよう、と思う必死さは変わりません」

 中国・清朝末期を舞台にした浅田次郎氏のベストセラー。朝月は貧しいながらも必死に生き抜く少女時代から、トップスター・彩風咲奈演じる青年に寄り添う女性まで、激動の時代に必死に歩んでいく力強さが求められる難役を丁寧に演じている。

 そんな姿は、苦しさ、悔しさも乗り越えた自身の姿に重なる。

 「どんなことにも前を向いて頑張る、タカラジェンヌとして歩いてきた道のりとリンクする部分もあるので、最後の瞬間まで成長する姿を見せたい」

 さらに、ショー作品がなく大作一本物での退団にも運命を感じている。「3時間、役として集中して生き抜けることはある意味幸せ。役に心を委ね、宝塚最後の日を迎えたい」とさらなる熱演を誓った。(土谷 美樹)

 ◇朝月 希和(あさづき・きわ)1月6日生まれ、東京都出身。昭和女子大付属昭和高を経て10年初舞台。花組配属。13年「愛と革命の詩」で新人公演初ヒロイン。その後雪組~花組~雪組と異動を重ね昨年4月トップ娘役に。身長1メートル63。愛称「ひらめ」。

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