暁千星、月組最後の主役舞台は人気トップスターたちが演じた名作 影ある青年像で新境地切り開く

[ 2022年5月21日 05:30 ]

月組最後の主演作で新境地を切り開いた暁千星(右)。左は風間柚乃                               
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 月組男役スター・暁千星(あかつき・ちせい)主演の「ブエノスアイレスの風」が大阪のシアター・ドラマシティで開幕した(26日まで)。

 千秋楽翌日には、星組への組替えが決まっており、これが月組での最後の舞台。彼女にとっては4年半ぶりの主演作で、東京・日本青年館で上演された初の東上主演作。しかも同作は紫吹淳(53)、柚希礼音(42)とかつてのトップスターが演じてきた名作とあって、開幕前から注目だった。

 舞台は1900年代半ば、軍事政権が倒れたばかりのアルゼンチン。元反政府ゲリラのリーダーだったニコラス(暁)が、変わりゆく時代の中で新たな生き方を模索する姿を描く。太陽のような明るいイメージが先行する暁が、影のある青年像で新境地を切り開いた。

 タンゴでの見せ場はダイナミックなダンスが売りの暁にとってはお手のもの。以前、「発声の仕方を変えた」と明かしていた歌唱力はメキメキと上達し、今回も満席の客席を魅了。歌、ダンス、芝居と三拍子そろったトップ礼真琴率いる星組の下、さらに鍛え上げられ飛躍する日が楽しみだ。 (土谷 美樹)

 ◇暁 千星(あかつき・ちせい)9月14日生まれ、広島県福山市出身。福山暁の星女子中を経て、12年首席入団。月組に配属。14年「明日への指針」で新人公演初主演。17年「Arkadia」で、バウホール単独初主演。身長1メートル73。愛称「ARI」。

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