月組若手スター・礼華はる 初主演で見事な男役 作品ごとにカラー変わる変幻自在さが魅力

[ 2023年6月24日 11:00 ]

 伸び盛りの月組若手スター礼華はるが、兵庫・宝塚バウホールでの「月の燈影(ほかげ)」で初主演を果たした(25日まで)。

 江戸時代後期、新興地だった“無法地帯”を舞台に、任侠の世界に移り住まざるを得なかった幸蔵(礼華)と、幼なじみで彼を慕う次郎吉(彩海せら)を中心に、必死に生きる庶民の姿を描く群像劇。声も低く、抑えた演技でもセンターで芝居を引き締めた礼華、明るく無邪気ながら、確かな歌唱力と演技力で支える彩海の両輪で見る者を引き込んだ。

 同作は2002年、実力派として人気だった彩吹真央(あやぶき・まお)が幸蔵、元花組トップスター蘭寿とむが次郎吉のダブル主演作として上演された秀作。江戸の美意識をふんだんにちりばめ、令和によみがえった。

 初主演の礼華は、身長1メートル78に長い手足。男役として恵まれ過ぎるスタイルを武器に、メキメキと頭角を現してきた。前トップスター珠城りょうのサヨナラ公演だった「桜嵐記」で新人公演初主演を果たすと一気に注目度を上げ、続く「今夜、ロマンス劇場で」でも新人公演で主演し、日本物から現代物、ファンタジーと作品ごとにカラーが変わる変幻自在さが魅力。今後の月組を支える頼もしい戦力だ。 (土谷 美樹)

 ◇礼華 はる(れいか・はる)10月8日生まれ、東京都出身。日本女子大付属高を経て15年初舞台。21年「桜嵐記」で新人公演初主演。身長1メートル78。愛称・ぱる。

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