宝塚花組・帆純まひろ 組を支える中堅期待の星が、再演重ねた名作「殉情」でさすがの熱演

[ 2022年10月15日 11:00 ]

盲目の春琴(右=朝葉ことの)に献身的に尽くす佐助を好演した帆純まひろ
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 花組ホープ・帆純(ほずみ)まひろの初主演作「殉情」が兵庫・宝塚バウホールで開幕した。21日まで。

 谷崎潤一郎原作の「春琴抄」をミュージカル化したもので、宝塚ではこれまでにも絵麻緒ゆう(現・えまおゆう)、早霧せいならで再演を重ねた名作。明治時代の大阪・道修町の薬問屋を舞台に盲目の娘・春琴(朝葉ことの)に仕える佐助の献身的で、残酷ながらも究極の愛の形を細やかな演技で見せた。

 入団7年目だった19年に新人公演で初主演してから3年。「男役10年」と言われる世界でその10年目を迎え、難しい日本物で柔らかな物腰、上品な身のこなし、上方言葉といわれる独特の言葉遣いも自然で“さすが”の熱演を見せた。花組はトップスター柚香光を頂点に華やかな面々がそろい、帆純は中堅どころとして組を支える期待の星。

 同作は同じく花組ホープの一之瀬航季(いちのせ・こうき)主演版が30日に同ホールで開幕する(11月7日まで)。期待の若手娘役・美羽愛(みはね・あい)の春琴を相手にどんな熱演を見せるのかも注目。切磋琢磨(せっさたくま)する主役2人が組の力を底上げする。 (土谷 美樹)

 ◇帆純 まひろ(ほずみ・まひろ)3月15日生まれ、兵庫県出身。西宮市立甲陵中を経て13年初舞台。花組配属。美形男役として下級生のころから注目の存在で、19年「CASANOVA」で新人公演初主演。身長1メートル70。愛称「せの」。

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