ききみみ 音楽ハンター

【鈴木雅之】奇跡起こす“ラブソングのパティシエ”

[ 2016年8月8日 05:30 ]

新作で“ラブソングのパティシエ”ぶりを発揮した鈴木雅之
Photo By スポニチ

 歌手鈴木雅之(59)といえば“ラブソングの王様”。「ガラス越しに消えた夏」「恋人」などさまざまな愛の形を歌い上げ、ヒットに導いてきた。先月発売したソロデビュー30周年記念アルバム名は、イタリア語でデザートを意味する「dolce」(ドルチェ)。アンジェラ・アキや久保田利伸、松任谷由実らが提供した楽曲を、鈴木が“ラブソングのパティシエ”として丁寧に味付けし、華やかに仕上げた。

 今年還暦にして変わらぬ色気の秘けつを、「ラブソングを歌うことで、歌いながら恋愛してるんだと思う」と話した。歌がうまいことでモテてきたはず、と下世話な話題を振ると「若い時に音楽を始める動機は好きだからと、やっぱモテたいからでしょ」と笑顔。「シャネルズ」でデビューする前の10代の頃、ディスコに行くとチークタイムではつのだ☆ひろの「メリー・ジェーン」がよく流れた。意中の女性と踊りながら、「耳元で曲に合わせて歌ったりもした」と明かした。「ムードを高めてくれる。ラブソング・マジックだよね」

 カッコイイ話が続くので失敗談を聞くと、大阪での約10年前のライブを挙げた。トレードマークのサングラスは特注品も多く、その日は試作品で舞台に出た。耳へのフィット感が緩いと感じながらも歌い続け、ターンの瞬間に外れて飛んでいく事件が発生した!とっさに空中キャッチして回りながらかけ直し、1周して戻ると元通り。「マトリックスみたいだったよ。最前列のファンが凄い盛り上がってた」

 最終的にはやっぱりカッコイイ話だったが、「そういう奇跡を呼ぶ力が大阪にはある」と鈴木。10月5日には全国ツアー大阪公演をフェスティバルホールで開く。さらなる奇跡を目撃できるかもしれない。(萩原 可奈)

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