ききみみ 音楽ハンター

スキマスイッチ 完成に3年…新たな代表曲誕生の予感

[ 2018年3月5日 13:00 ]

3月14日オリジナルアルバム「新空間アルゴリズム」発売

新アルバム「新空間アルゴリズム」について語る「スキマスイッチ」の大橋卓弥(左)と常田真太郎
Photo By スポニチ

 人気ユニット「スキマスイッチ」がデビュー15周年の幕開けとして14日、約3年ぶりのオリジナルアルバム「新空間アルゴリズム」を発売する。近年は技巧派の印象が強かった2人が、初期衝動を大事に作った全10曲。原点回帰の会心作だ。

 中でも「未来花」(ミライカ)は秀逸。ボーカル大橋卓弥(39)の丸く伸びやかな歌声と、常田真太郎(40)の味わい深いピアノだけのシンプルなバラードで、「僕は死ぬまでいったい何回 隣にいるあなたの名前を呼べるのだろう」という出だしにドキッとするが、温かくて美しい曲だ。

 “同曲を収録できただけで本作は成功だと思う”と伝えると、常田は「うれしい。それくらい時間をかけた曲です」とうなずいた。デモは3年前にできていたが、2人が出し惜しみしたくなるほど手応えがあり、思い入れは強かった。ブラッシュアップを重ね、歌詞も最後の最後まで推敲(すいこう)。「手のかかる子だった。手塩にかけたとは、このことです」。

 2人とも曲を書けるのが強みだが、大橋いわく良い曲が生まれる時は「両者の温度感が一致し、自然に曲に導かれるようにできる」そうだ。「奏(かなで)」で経験したその感覚を「未来花」でも味わった。彼らの代表曲になるに違いない。

 今年40代に突入。自分の存在価値を認めてもらおうと手柄を取り合いギラギラしていた若手時代から、互いを頼り協力して高得点を取りにいく関係性に落ち着いた。新作をひっさげての全国ツアーで結束力を目撃できる。大阪公演は4月18、19日にフェスティバルホール、6月11日にオリックス劇場。(萩原 可奈)

 ※「未来花」の音源は一部、3月7日放送のMBSラジオ「子守康範 朝からてんコモリ!」(午前7時台)で紹介する。

続きを表示

バックナンバー

もっと見る