ききみみ 音楽ハンター

「Suchmos」YONCE単独インタビュー「品格ある音楽作りたい」

[ 2017年7月17日 05:30 ]

「ミート・ザ・ワールド・ビート」に登場した「Suchmos」(FM802提供)
Photo By 提供写真

 「Suchmos(サチモス)」は、今もっとも熱い若手バンドの一つだ。音楽フェスにひっぱりだこで、単独ライブのチケットは入手困難。このほどスポーツ紙では初となるボーカル・YONCE(25)のインタビューが本紙で実現した。また16日、大阪・万博記念公園でFM802の野外イベント「ミート・ザ・ワールド・ビート」に出演。ききみみ拡大版として紹介する。(萩原 可奈)

 都会的でオシャレなロックでフェスシーンに新風を吹き込む6人組。松任谷由実(63)がお気に入りに挙げるなど業界での評価も高く、音楽配信サービスApple MusicのCMにも出演する。9日の大阪城音楽堂での野外公演には、チケットがないファンが音だけでも聴こうと会場周辺に集まるなど、人気は過熱の一途だ。

 強みはファン層の幅広さ。同公演の観客も「10代から白髪の渋いオジサンまでいた。俺が見たかった光景です」と、YONCEは胸を張った。R&Bやジャズなどさまざまな要素を昇華した上質のロックが年配者も魅了する。

 YONCEの豊かな音楽性は、叔父の“集中講座”のおかげだ。中学時代に米バンド「マルーン5」を聴き、音楽漫画「BECK」を読んで「バンドやる、楽しそう過ぎるもん!」と決意。バーを経営する音楽通の叔父を訪ねると、「“今月はこれを聴け”と毎回ジャンルレスで5〜6枚CDを渡してくれた」。

 ルックスや歌いぶりからクールで斜に構えたキャラかと思いきや、「先人の音楽への尊敬、感謝を大事に品格ある音楽を作りたい」と熱く語る好青年。地元の神奈川・湘南エリアに住み続け、「YONCE!?」と驚く高校生には「おお!ドコ高だ?気をつけて帰れよ」と気安く応じる。

 今月、新たに立ち上げた自主レーベルから第1弾作品「FIRST CHOICE LAST STANCE」を発売した。全国ツアーも決定し、大阪公演は11月4、5日。FM802でレギュラー番組を持ち、アメリカ村や中崎町の古着屋を巡るなど大阪は愛着ある街だ。「2年前の心斎橋での初ライブから、大阪の観客はヤバかった。今回も最高のライブにしたい」と意気込んでいた。

 ≪1万5000人沸かせた≫ミート・ザ・ワールド・ビートではサチモスが最初に登場し、観客1万5000人を沸かせた。ラジオでリクエストが殺到し、ホンダのCM曲としても有名になった「STAYTUNE」など4曲を披露。出演後、YONCEは「暑さでみんな活気づき、良いテンションでトップバッターを務められた」と充実感を漂わせた。イベントには「ゆず」らも出演。「福耳」は、メンバーの秦基博(36)が手掛けた新曲「Swing Swing Sing」をライブ初披露した。

 ◆Suchmos(サチモス) ボーカルYONCE(ヨンス、本名・河西洋介=かさい・ようすけ、1991年8月29日、神奈川県茅ケ崎市出身)らで2013年に結成。15年4月にシングル「Essence」でデビュー。17年1月発売のアルバム「THE KIDS」はオリコン上半期ランキング10位を獲得。YONCEはFM802「MUSIC FREKS」(日曜後10・00)DJを隔週で担当。

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