ききみみ 音楽ハンター

中川敬 ソウル・フラワー・ユニオン新作はコロナ下で気持ち切り替え、きめ細かく作り込んだ力作

[ 2021年2月7日 05:30 ]

新作とライブ配信への思いを語った「ソウル・フラワー・ユニオン」の中川敬
Photo By スポニチ

 中川敬(54)率いる「ソウル・フラワー・ユニオン」が新アルバム「ハビタブル・ゾーン」を発売した。昨年はコロナ禍でライブが30公演以上中止。その分、よりきめ細かくアルバムを作り込もうと気持ちを切り替え、完成させた力作だ。

 1960~80年代米英ロックなど自身のルーツを直球で盛り込んだ。最後に作った「ダンスは抵抗」は歌詞も「ひねらず170㌔のストレート」と中川。「尊厳の歌がある 信念の歌がある」と熱唱する。誕生のきっかけは昨年に大阪で行われた「ブラック・ライブズ・マター」のデモ参加だった。「数千人の参加者がマスク姿で梅田を1時間半歩いた。前向きな空気がある素晴らしいデモで胸いっぱいになってね。高揚をまんま曲に収めたいと、帰って1、2時間で書き上げました」。

 コロナ下で昨年4月に始めた配信ライブでは初回から思わぬ収穫があった。配信中のチャットに、闘病生活で大好きな中川のライブに長く行けていなかった夫にライブが見せられる、と喜ぶ書き込み。「誰もが会場に来られるわけじゃないという当たり前の事を再認識させてくれた。配信ライブやりまくろう!って、凄いやる気になった」と振り返った。21日に京都・OBBLiで無観客ライブ配信、3月6日にも奈良・ビバリーヒルズでの有観客公演(人数制限あり)を配信予定だ。

 昨年3月から始めた事が他にもある。断酒だ。「酒樽につかってるような30代やったから、これは凄い」と笑う。感染対策で「打ち上げもないし、人とも会わないから酒飲む機会が減って飲みたいとも思わなくなった。飲んだら断酒してるってネタがなくなることにも気づいて、今も炭酸水飲んでます(笑い)」と、意外な逸話も披露し、和ませた。(萩原 可奈)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る