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田畑実和 回り道も後悔なし!会社員経て来春メジャーデビュー 夢は縁深い「京セラドーム公演」

[ 2021年12月8日 05:30 ]

来年、全国デビューを果たす田畑実和
Photo By スポニチ

 田畑実和(25)は来春メジャーデビュー予定の兵庫県出身・在住歌手だ。10月に関西限定プレデビューシングル「voice/SKY」を発売。コロナ下で地道に根を張り、芽吹く時を迎えた。

 道のりは平たんでなかった。劇団四季にあこがれ、歌手を夢みた小学生時代は歌やダンスを習った。高校ではブラスバンド、音大では声楽を専攻し、バンドも組んで、歌のほかに楽器も練習した。オーディションにも多数応募したが、全滅。厳しい現実に「音楽だけでは食べていけない」と、卒業後は企業に就職した。

 仕事に忙殺され、合間にやるはずだった音楽活動はままならくなった。「本音は歌で食べていきたいという思いがずっとあったので、約2年勤めた仕事を辞めて音楽に集中すると決めました」。

 ライブやオーディション参戦を再開。ことし3月、プロ野球・オリックスの3代目スタジアムリポーターに選ばれ、歌えるリポーター「うたリポ」として場内アナウンスなどを担当した。ファンが増え、光明が差した。就任した年に球団は25年ぶりのリーグ優勝。「持ってる」「勝利の女神」の声には、「そんな…素晴らしい体験をさせてもらい、ただただ幸せ」と恐縮した。自身はテイチクレコードのオーディションに合格し、ついにデビューの夢をつかんだ。

 回り道に後悔はない。「就職も今、思うといい選択でした。当時の経験で曲もできましたし」と笑う。コロナ禍の影響でライブができない間も、作詞作曲の勉強など努力を重ねた。プレデビュー作発売後は、SNSへの書き込みが増えるなど反響を実感。「温かい言葉で力をくれるファンの皆さんを、今後は私が歌で支え、日々に彩りを与えたい。そして、いつか京セラドームで公演を。まだ遠い夢ですけど、オリックスへの恩返しにもなるのかな」。

 おっとりした口調の中に強い意志が宿った。花開く時を期待したい。 (萩原 可奈)

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