ききみみ 音楽ハンター

大江千里(1) 出合いから32年…47歳で飛び込んだジャズの世界

[ 2018年10月21日 12:13 ]

母校・関学大にジャズピアニストとして凱旋した大江千里
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 10月8日、大江千里(58)は母校・関学大に凱旋し、ジャズピアニストとして公演を行った。デビュー35周年セルフカバーアルバム「Boys & Girls」の楽曲を中心に演奏。彼の名曲がジャズに変身し、歌詞はないのに景色が浮かび旋律美も際立つ。やはり天才だと再認識した。ライブ翌日に本人を直撃。時代を席巻したシンガー・ソングライターから、47歳で渡米しジャズ界に飛び込んだ決意と苦労を聞いた。貴重な秘話を3回にわたり紹介する。

 ジャズとの出合いは15歳だ。3歳でピアノを習い作曲に目覚め、12歳で「ヤマハポピュラーソングコンテスト」に応募開始。初の決勝進出を決め、シンガー・ソングライターの夢が現実味を帯び始めたのも15歳だった。「ジャズのレコードを聴いて、こんな音楽あったんや!と感動して教則本を買った。これは片手間にはできないと思ってる間に、大学時代にシンガー・ソングライターでデビューできた。そこからはノンストップ。でも心の中には、ジャズが何でこんなに魅力的な音楽なのかセオリーを知りたい、という思いがず〜っとあった」。

 20代で米国各地を回り、欧州にも旅した。初のニューヨークは29歳。その後、少し住んでいた。「人種のるつぼで、僕は英語もしゃべれないし、リズム感も違う。何て世の中を知らないんだろうと、大海であっぷあっぷした」と振り返る。帰国すると安定し、守られた歌手生活があったが、「時々ニューヨーク生活を思い出しては、“僕の人生にはあのビターな色、味が必要やな”と感じるんですよね」。次回は、渡米への背中を押した親友との感動秘話を紹介する。(萩原 可奈)

 ★大江の楽曲は、10月24日放送のMBSラジオ「子守康範 朝からてんコモリ!」7時台で紹介します。

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