ききみみ 音楽ハンター

大西ユカリ 結婚・難病・コロナ禍…激動の5年経て新境地へ…新作は多国籍なネオ・ビンテージ

[ 2023年12月13日 11:00 ]

大阪市内で取材に応じた大西ユカリ
Photo By スポニチ

 【ききみみ 音楽ハンター】「大西ユカリと新世界」として昭和歌謡とR&Bを融合させた音楽で人気を得たシンガー、大西ユカリ(59)。結婚、発病、コロナ禍など激動の5年を経て9月に発売したアルバム「LaiLa」は、イメージを覆す意外な一枚となった。

 18年、クレイジーケンバンドのギター・キーボードの新宮虎児(60)と結婚。コロナ禍の中、2人で曲作りを進めた。「でも2人だけやと私小説になる。もう少し虚構が欲しい」と、夫妻で敬愛する岩川浩二(THE COLTS/THE MACKSHOWのリーダー)を迎え3人で制作。岩川のスタジオでビンテージ機材を使って全11曲をアナログ収録した。

 「これまでの自分も残しながら新しい大西ユカリをつくろう、と。ちょっと大阪色を抜いてみた」と言う通り、多国籍で懐かしい音色が新鮮だ。ビンテージマイクを使用し、「ガンガン近づいて歌う派やったけど、今回のマイクはそれじゃあかん。力みも全部拾う」と、自然体で一発どり。「声が弱っちいかとか思ったけど評判良いし、これでええんかな」と笑った。

 実は20年1月、指定難病「リンパ脈管筋腫症」と診断された。「肺に嚢胞(のうほう)ができる病気。良くなることはないけど進行を抑えることはできるようで、投薬の臨床試験中」と説明。歌への影響は「声は出るし、声帯も異常ないから大丈夫。息継ぎが上手にでけへん感じやけど私もベテランやし、分からんように歌えるねん」と笑った。

 来年、還暦を迎える。「この先、活動はあと10~20年?とか考えたら、やりたいことだけやろうと思ってます」と語る。節目のライブも構想中だ。公私に支えてくれるパートナーも得て、病気ともうまく付き合いながら円熟の歌手道をマイペースに楽しむつもりだ。 (萩原 可奈)

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