ききみみ 音楽ハンター

ユーチューブ初投稿作品が1週間で20万回再生

[ 2020年1月5日 05:30 ]

「ずっと真夜中でいいのに。」のミュージックビデオ
Photo By 提供写真

 「そらる」「まふまふ」「ヨルシカ」…と聞いてピンと来る人は、音楽のアンテナ感度が相当いい。これらはすべて、インターネット発の人気アーティストだ。記者には未知の領域だが、音楽界の潮流を知る上で避けて通れぬ成長ぶり。そこで3回にわたり、ネット発アーティストを堀り下げていく。

 シンガー・ソングライター米津玄師は動画投稿サイト「ニコニコ動画」(ニコ動)、ユーチューブに「ハチ」名義で投稿して人気に火が付いたネット発アーティストの代表格。サイトやSNSに楽曲をあげる彼らは正体不明でも、良質な曲やアニメなど映像との融合が生む世界観や目新しさでユーザーを魅了する。

 同ジャンルの発掘を行うユニバーサル・ミュージックの関係者によると、今の中高生の会話には「ジャニーズ」「K―POP」と並び「歌い手」の言葉が頻繁に登場するという。歌い手とは、既存曲を自分で「歌ってみた」とニコ動などに投稿する人のこと。「若者はテレビよりスマホで情報を得ており、音楽もユーチューブやSNSに探しに行く。ライブハウスに行くより敷居が低く、誰でも簡単に音楽に出合える場。そこでお気に入りの動画コンテンツを見つけ、SNSで拡散する」と同関係者は語る。

 そんな若者の支持を得てブレーク中なのが「ずっと真夜中でいいのに。」。ボーカルが女性のACAね(あかね)、という以外は謎だ。18年6月にユーチューブに初投稿した独自曲「秒針を噛む」は1週間で20万回再生され、同年10月にメジャーデビューした。昨年6月に発売したミニアルバムはオリコン初登場1位、フジロックフェスティバルにも出演し、秋のツアーは全公演即完売。5月に幕張メッセで2日間公演を控える。新人とは思えぬ快進撃!テレビ世代には耳慣れぬ存在が、瞬く間に音楽界を席巻していた。(萩原 可奈)

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