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スターダスト☆レビュー・根本要「今も毎日練習」 デビュー40年も純粋な音楽愛失わぬ“還暦少年”

[ 2022年6月8日 05:30 ]

大阪市内でスポニチの取材に応じたスターダスト☆レビューの根本要
Photo By スポニチ

 昨年デビュー40周年を迎えたバンド「スターダスト☆レビュー」が11日、大阪城ホールで記念ライブを開く。大阪で頻繁にライブをするが、“城ホ”に立つのは実に26年ぶり。節目を大阪で祝う念願もかない、リーダーのボーカル&ギター根本要(65)は「僕らを育ててくれた特別な街にやっと恩返しできるかな」と期待した。

 「東西合わせて108曲煩悩ライブ」と題し、4日の地元・さいたまスーパーアリーナ、11日の城ホで各58曲、重複する8曲を除き全108曲を披露する。公演時間は各6時間を予定。60代のメンバーには過酷?いやいや、彼らは筋金入りのライブバンドだ。直近にも1回約3時間半、計102公演の全国ツアーを完走したんだから大丈夫だろう。

 40年続いた理由の一つに「ボーカリストが鈍感ってのがある」と根本は笑う。加湿器を何台も置き、水はブランド名まで指定…なんて歌手もいると聞くが、「湿度低くて急にノドの調子が…とかない。昔は俺もそういう歌手神話にあこがれて歌う前にカレーも食わなかったのに、今じゃ“辛ラーメン”食ってるんだから」と、また大笑い。「公演をやらせてもらってるって意識だから、できるだけ各地のスタッフの負担にならないように、今も楽屋はピカピカにして出るよ。そうしなきゃ次がないって思ってる」。身につけた鈍感力は、自らを追い込みすぎない防御法でもあるが、周囲に気を使わせない配慮でもある。長く続けるには、ファンにはもちろん仲間や関係者に愛されることが大切だ。

 大人の対応の一方で、子供の頃から好きな曲しか歌わず、嫌いな宿題は絶対やらないロック魂、「今も毎日ギターの練習してるよ」と語る音楽への純粋な向上心。そのバランスこそスタレビの魅力だ。18年発売のアルバムに名づけた「還暦少年」とは言い得て妙。業界で一目置かれる存在なのに謙虚で、いい意味で落ち着くことなく、大御所というポジションに見向きもしない。還暦少年たちは50周年へも軽やかなステップで進み続けるに違いない。(萩原 可奈)

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