ききみみ 音楽ハンター

Kenta Dedachiの語学力や美声は、国境や世代を超えて多くの人の心を癒やす

[ 2023年6月14日 11:00 ]

大阪市内で単独ライブを行ったKenta Dedachi
Photo By 提供写真

 【ききみみ 音楽ハンター】昨年メジャーデビューした男性シンガー・ソングライターのKenta Dedachi(ケンタ・デダチ)。最近、偶然目にしたMVで「ただ者じゃない!」と興味を持った。間がよく大阪でライブをすると知り、百聞は一見にしかず。すぐにチケットを購入した。

 その人は穏やかな笑顔で舞台に現れた。若く初々しい雰囲気に反し、リズムマシーンを駆使しギター1本で歌う姿は、ベテランのような落ち着きっぷり。流ちょうな英語を交え歌う曲は洋楽のクオリティーだ。圧巻は、客席に下りて披露したマイクなしでの歌唱。ごまかせない状況で優しく繊細に弾き語り、本物の歌唱力と美声を証明した。

 これだけ才能ある若手ならイキって歌い上げそうなものだが、驚くほどの自然体。好青年にもほどがある。「Cozy notes」の公演タイトル通り、2時間にわたり居心地のいい音、時間、空間をさらりとつむいでいった。

 さて、そんな彼は1999年11月26日生まれの23歳、長崎生まれの千葉育ち。両親とも日本人で、8人きょうだいの2番目で長男という。17歳で訪れ魅了された米ロサンゼルスの大学に進学。昨年卒業し、今年2月に帰国したが「すぐに戻りたいぐらい」とLAへの愛着を語った。今、LAといえば大谷翔平が浮かぶが、好きなことに熱中し無邪気に楽しむ姿は重なる。大谷のように世界を舞台に活躍してほしい。

 レーベルの担当者も、彼の語学力や美声は「国境や世代を超えて多くの人の心を癒やす」と信じる。ライブ会場にも幅広い年代の男女の姿があった。9月から初の全国ツアーも決定。関西では10月14日に京都・紫明会館で行う。生の歌がいいアーティストとして自信を持ってお薦めできる。チケットが取れるうちに、ぜひ。(萩原 可奈)

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