ティナ・ターナーさん死去 83歳 「ロックの女王」グラミー賞12回受賞

[ 2023年5月26日 05:06 ]

米ニューヨークのマディソンスクエアガーデンで歌うティナ・ターナーさん=1985年8月(AP)
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 米人気歌手で「ロックの女王」と呼ばれたティナ・ターナーさんが、スイス北部チューリヒ近郊の自宅で死去した。83歳。死因は明らかにされていないが、近年腎臓病などを患っていたとされ、長期の闘病生活を送っていたという。ターナーさんのSNSは24日、死去を発表し「彼女の音楽と人生への際限のない情熱は、世界中の多くのファンを魅了し、明日のスターに刺激を与えた」と追悼した。

 「ロックの殿堂」に2度入り、特別賞などを含めグラミー賞を12回受賞。ハスキーボイスの力強い歌声と金髪にミニスカート、7センチを超えるピンヒールで「セクシー・ダイナマイト」の異名も取った女王だが、その人生は波乱に富んでいた。

 1939年に米南部テネシー州で生まれ、貧しい幼少期を過ごした。60~70年代にバンドマンだった当時の夫、アイク・ターナーさん(07年死去)とデュオ「アイク&ティナ・ターナー」として活躍し「プラウド・メアリー」などのヒットを飛ばした。

 おしどり夫婦に見えたが、夫の家庭内暴力に苦しんでおり、78年に離婚。デュオは解消し、ターナーさんは一時、音楽界から姿を消した。

 82年、ロッド・スチュワート(78)のライブにゲスト出演しカムバック。ソロに転じて84年に発売されたアルバム内の「愛の魔力」が大ヒットし、再び脚光を浴びた。86年には家庭内暴力の詳細などを赤裸々につづった初の自伝「ティナ」を発表。離婚の時は「25セント、10セント、1セント硬貨1枚ずつの36セントだけを持ってホテルを飛び出した」と明かしている。当時、有名人が夫の暴力を告発する例はほとんどなく、93年に「ティナ」は映画化されるほど大きな反響を呼んだ。

 復活後は、エネルギッシュでパワフルな歌声にほれ込んだデビッド・ボウイさん、ポール・マッカートニー(80)ら有名アーティストがデュエット相手にこぞって指名。88年に東京ドームのこけら落としシリーズでミック・ジャガー(79)が来日した際には、ターナーさんがサプライズゲストで登場し、伝説のステージとなった。映画「マッドマックス3」に出演するなど女優としても強い印象を残した。

 ○…初来日は1970年12月。アイク&ティナ・ターナーとして、東京・赤坂にあった伝説のディスコ「MUGEN」で6日間連続計12公演を開催した。日本ではまだ無名の存在だったが、その後、2人は世界的売れっ子となる。ソロ転身後は、85年と88年に来日公演。日本武道館や大阪城ホールなどでセクシーなステージを披露した。

 ◇ティナ・ターナー 1939年11月26日生まれ、米テネシー州出身。19歳の時、アイク・ターナーさんと出会い60年にデビュー。91年に「アイク&ティナ・ターナー」として、21年に個人で「ロックの殿堂」入り。「ウィ・アー・ザ・ワールド」「ライブエイド」などで多くのミュージシャンと共演。2人の息子がいるが、どちらも亡くなっている。

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