佐藤B作 主宰劇団50周年 大病克服し、10年以上実践中の健康法とは マンション11階まで上がり…

[ 2023年5月26日 05:00 ]

西早稲田の穴八幡宮をウォーキングする佐藤B作
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 著名人に健康や元気の秘訣(ひけつ)を語ってもらう企画「だから元気!」。今回は主宰する劇団「東京ヴォードヴィルショー」が創立50周年を迎えた俳優の佐藤B作さん(74)です。舞台は体が資本。大病を克服し「歩いて、体操して、そして足ツボのマッサージ。これを10年以上実践しています」と明かしてくれた。(構成・佐藤 雅昭)

 朝起きたら、まずマンション11階の部屋から階段で1階まで下り、ポストから新聞を取って、また11階まで上がる。「今日は調子いいぞ」とか、この上り下りで体の具合が分かります。そして腹筋と背筋の体操を40分ほどやり、まだ時間の余裕がある時は足ツボをマッサージします。

 健康に留意するようになったのは50代後半から60代にかけ「めまい」「ぎっくり腰」「がん」を経験したことが大きかったですね。

 めまいはある日、朝食を食べている時に症状が出た。まもなく収まったので、夜に芝居を見に出掛けたら、舞台がぐるぐる回り出した。救急病院で点滴を打ってもらいました。

 それから2、3週間して、今度はゴルフのプレー中に襲ってきた。ゴルフ場の人が「お医者さんはいませんか?」と探してくれましたが、「あのうワタシ医者ですが、歯医者で」とふざけた人がいて、「そんな笑いは許さないぞ」と倒れながら怒ってました。救急車で山梨県河口湖そばの病院に運ばれ入院。東京の大学病院に転院して検査を受けましたが、結局、原因は不明。ストレスから来たものかもしれません。

 ぎっくり腰は「その場しのぎの男たち」の長崎公演中でした。芝居が始まる前に歯を磨いていたらいきなり来た。痛くて動けませんでしたが、舞台に穴はあけられない。背中やら腰やらをガムテープで固定してやりました。陸奥宗光役。病弱でつえを突いているという設定で助かりました。

 帰京して足裏マッサージの先生を紹介していただきまして、施術してもらうと、ほんの10分ほどでケロッと良くなったんです。福島の方で、金土日と週末に東京に来て患者さんを診てくれる。くるぶしの下にツボがあり、ギュッと押すと悪い時は痛い。それを我慢して血流を正常に戻していくのです。めまいに効くツボもあるんですよ。

 胃がんの手術を受けたのは08年5月。3分の2を切除しました。前年12月の健康診断で見つかったんですが、初期段階。痛くもないしメシもうまい。公演先の京都に向かうと、主治医の先生が飛んできて「芝居なんかやってる場合じゃない。明日手術しなけりゃ死ぬよ」とおっしゃる。

 公演中止となれば劇団の財政は死活問題です。「あと1カ月は手術はできません」と断ると、京都のホテルで「君は死んでもいいのか?」と怒鳴られました。僕は「死んでもいいです」と聞く耳持たずで継続。終えてから手術を受けました。

 実はがん発見のきっかけをつくってくれたのは歌舞伎俳優の中村勘三郎さんでした。新橋演舞場で「寝坊な豆腐屋」という芝居をご一緒した時に「B作さん、最近酒残るらしいね。検査しなきゃ」と忠告してくれた。それから勘三郎さんに会うたびに「俺は君の命の恩人だからね」と言われました。でも、その勘三郎さんががんになっちゃって…。男がほれる素敵な方でした。

 ウオーキングもしています。高田馬場に住んでいるので、箱根山から穴八幡宮、早大の大隈講堂あたりをぐるっと1時間ほどかけて歩く。後は睡眠を十分に取ること。お酒もおいしくいただけてます。

 ≪三谷幸喜氏&丑年男が絶妙タッグ≫東京ヴォードヴィルショーは創立50周年記念として「その場しのぎの男たち」(演出・鵜山仁)を7月21~30日に東京・新宿の紀伊国屋サザンシアターで上演。脚本家の三谷幸喜氏(61)が劇団のために書き下ろした芝居で92年初演。節目に上演する宝物的作品の一つだ。1891年、訪日中のロシア皇太子が巡査に切りつけられた大津事件を題材にした社会派の喜劇。時の為政者が善後策を練るが…。元老の伊藤博文を演じる1937年生まれの伊東四朗(85)、49年生まれの佐藤、61年生まれの三谷と、丑(うし)年男のタッグが絶妙。「大喜劇人」と尊敬する一回り年上の伊東から刺激を受けている。今月28日から前売り開始。

 ◇佐藤 B作(さとう・びーさく)本名佐藤俊夫。1949年(昭24)2月13日生まれ、福島市出身の74歳。早大の演劇サークル「劇団木霊」で実力を養う。早大中退後の73年に劇団東京ヴォードヴィルショーを結成。舞台だけでなく映画やドラマ、TBS系「週刊欽曜日」などバラエティーでも活躍。夫人は女優あめくみちこ。俳優の佐藤銀平は息子。

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