「鎌倉殿の13人」木曽義仲“衝撃の最期”唯一の心残りとは?青木崇高の“答え”「あくまで想像」

[ 2022年4月24日 20:45 ]

「鎌倉殿の13人」第16回「伝説の幕開け」青木崇高インタビュー

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第16話。自害を決意する木曽義仲(青木崇高・右)と今井兼平(町田悠宇)(C)NHK
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 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は24日、第16回が放送され、俳優の青木崇高(42)が好演してきた信濃の武将・木曽義仲が最期の時を迎えた。義に厚い“新しい木曽義仲像”を体現し、反響を呼んだ青木に、ラストシーンの舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 ヒットメーカーの三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 青木演じる木曽義仲は、源氏の棟梁の座を争う源頼朝(大泉洋)のライバル。第13回(4月3日)から本格登場した。

 北条義時(小栗)たちが信濃へ赴き、義仲と会談。焚き火を囲み、川魚を焼きながら、義仲は「源氏が一つになり、平家を滅ぼす。これが俺の望みだ」。平家と通じていない証しとして、人質を要求されると「叔父上(源行家)は渡せん。どんな男かは関わりない。俺は自分を頼ってきた者を追い出すような真似はできぬということだ。息子でいい。男には守らねばならぬものがある。義高(市川染五郎)でいい。(引き換えは)何も要らん。これが俺の誠だ」――。横暴なイメージもある義仲だが、今作は義理堅く知的なキャラクターとなった。

 第14回(4月10日)。「倶利伽羅峠の戦い」などに勝利し、快進撃。都に乗り込み、平家追放の武功を挙げたが、後白河法皇(西田敏行)と頼朝の政治力に翻弄された。

 第16回は「伝説の幕開け」。御家人たちをまとめ上げた頼朝(大泉)は、弟・源範頼(迫田孝也)を総大将、梶原景時(中村獅童)を軍奉行とした本軍を派兵。八重(新垣結衣)に見送られた義時(小栗)も従軍し、先発した源義経(菅田将暉)と合流。義仲(青木)は後白河法皇(西田)を捕らえて京に籠もり、宗盛(小泉孝太郎)は福原を拠点に復権をうかがう…という展開。

 「宇治川の戦い」(1184年、寿永3年)。義経に敗れた義仲は京から近江に向かうが、範頼の軍勢が待ち構える。幼なじみ・巴御前に別れを告げた。

 義仲「巴、おまえはここで落ち延びよ。これ(文)を、鎌倉の義高に届けるのだ。わざと捕らえられて、鎌倉へ行け。女は殺されることはない」

 巴御前「嫌でございます」

 義仲「しかし、手向かいはするな。さすがのおまえでも、手向かいすれば殺される」

 巴御前「地の果てまで殿のお側に」

 義仲「さらばじゃ」

 そして、近江付近の街道。義仲と側近・今井兼平(町田悠宇)の前に鎌倉軍が立ちふさがる。

 義仲「ここまでか」

 兼平「それがしが盾となります。あちらに、松原がございました」

 義仲「そうか。自害するにはもってこいの場所だな。源義仲、やるだけのことはやった。何一つ悔いはない。一つだけ、心残りがあるとするならば…」

 その時、一本の矢が義仲の額を射抜く。容赦ない衝撃の最期となった。

 義仲は最期、何を言いかけたのか。青木はこう解釈した。

 「『もう一度、木曽の風景を見たかった』。あくまで想像でしかないんですけど。やっぱり義仲の人生は木曽の地から始まって、義を重んじる生き方に影響を与えた場所でもあると思うんです。三谷さんの意図はうかがっていませんが、もしかしたら、義仲の心残りを深く考えることが、この役を演じる上で一番大切な心の軸につながっていったのかもしれません。今回の義仲像を創り上げるきっかけを頂いたのかなと勝手に解釈しています。本当に素晴らしい義仲を描いてくださって、感謝しかありません」

 鮮烈なインパクトを残した今回の義仲役。「難しさもありましたが、楽しかったです。折角ここまでキャラクターとして熟成されてきたところで終わりにしちゃうのは、ちょっともったいない(笑)。もっと演じていたかったという思いはあります。巴、兼平、義高との関係をさらに描いても面白いんじゃないかと思うぐらいです」と一際の愛着を示した。

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