池上彰氏「怒り、怨念、恨みがずっと続くことになる」虐殺などで結束強まるキーウで怒りの復活祭

[ 2022年4月24日 21:30 ]

 ジャーナリストの池上彰氏(71)がMCを務めるテレビ東京の特別番組「池上彰の激動!世界情勢SP」(後6・30~21・00)が24日に放送され、現在のキーウの街の人々がロシアに対してどのような思いを抱いているのか現地ジャーナリストが赤裸々に語る場面があった。

 番組内ではウクライナで取材活動を続けている元日本経済新聞の記者でジャーナリストの古川英治氏がライブ中継で出演。ロシアの侵攻を受ける中、24日には東方正教会などの復活祭(イースター)を迎えたキーウの住民たちの声をリポートした。

 古川氏によると現在のキーウの街には徐々に住民が戻ってきているとし、カフェや美容室などがところどころで店を開けている状況を説明。ロシアの攻撃については毎晩空襲警報が鳴り響くが直接的な大きな被害は数日ない状況であると報告した。そんな中、久しぶりに晴天に恵まれたこの日、イースターを自分の家で過ごしたいという教会にいた住民の声として「生きていることに感謝。日常を取り戻したい。ロシアは本当にひどい国。負けたくない、負けてはいけない。占領されたらとんでもないことになる」と語り、虐殺、性的暴行、略奪、拷問などロシア軍による非人道的な行為の数々に対して、恐怖や怖いといった感情よりも怒りに満ちているキーウの住民たちの心の叫びを伝えた。

 また、ロシア軍の侵攻後も首都キーウに残り自国への武器供与を世界中に求め抗戦を訴え続けているゼレンスキー大統領が地下鉄のプラットホームで「これは生存をかけた戦いである」との訴えに市民の支持がより高まっているとし、国民の8割の人が「勝つ。勝たなければいけない」と祖国を守り抜くという強い結束が失われていないとも語った。

 この現地の声を聞いた池上氏は「この怒り、怨念、恨みがずっと続くことになる。尾を引くということですね」と侵攻から2カ月が過ぎた今も戦争終結の糸口すら見えてこない現状を憂いていた。

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2022年4月24日のニュース